今日は『嫌われる勇気―自己啓発の源流「アドラー」の教え』著:岸見一郎・古賀史健について、アウトプットしたいと思います。


 この本の説明としては、目次に「本書は、フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称される、アルフレッド・アドラーの思想(アドラー心理学)を、「青年と哲人の対話篇」という物語形式を用いてまとめた一冊」とされています。大変読みやすい形式になっております。


 本書の中で、印象的だったところを2点挙げます。


 まず1点目は、本書のタイトルである「嫌われる勇気」というものです。本書の中では「自由とは、他者から嫌われることである P.162」とされています。これはどういうことか。

 周りに100人いたとして、100人全員に好かれようとする。すると、あるところで自己矛盾が発生してしまいます。A君には、〇〇は自分も好き、と言って好かれ、B君には〇〇は自分は嫌い、と言って好かれる。このことがA、B両氏が知った時、この人間は八方美人で信用ならない、となってしまいます。

 そうではなく、全員に好かれようとすること自体に無理がある、つまり、自分を嫌う人間というのは絶対に存在する。その自分を嫌う存在を認めた上で、自分の生き方を貫くことが重要となる。これが嫌われる勇気となります。それは2:6:2の法則に類似しています。どうやったって、自分を認めない人間は2割はいるので、それは相手にしない方がいい。そうすることで、残りの8割の人たちに集中することができる。嫌われる勇気というのは、自分が何か対外的に行動を起こす時、有益な考え方となる。


 そして、もう1点は、「人は「わたしは共同体にとって有益なのだ」と思えたときにこそ、自らの価値を実感できる P.206」という部分です。さらにいうと、「共同体、つまり他者に働きかけ、「わたしは誰かの役に立っている」と思えること。他者から「よい」と評価されるのではなく、自らの主観によって「わたしは他者に貢献できている」と思えること。そこではじめて、われわれは自らの価値を実感することができる P.206」となります。

 ある仲間と共に、ある集団に属したとして、自分の価値を見い出すには、相手を応援することが重要となる。それは、応援した相手の自分に対する評価は気にせず、私はあなたを応援します、というやや一方的なもので構わない。そうして他者に貢献することが、自分の価値につながる。返報性の法則に近いものであるが、あくまで自分基準であるところが共感でき、実行性があるものに感じる。


 自分に立ち返って考えてみると、やはり他者への応援が足りない。最近は意識的に行っていますが(写真集購入、セミナ-参加など)、やはり足りない。しかし、こういった風に相手の評価を気にせず、勝手連のような感じで応援することで、自分の価値を実感できるのであれば、かなりハードルは低くなっている。これは、今後すぐに実行すべきこととして考えておきたい。