30年後目線の政策5 練馬区の課題 | 東京都議会議員村松一希(練馬区)

30年後目線の政策5 練馬区の課題

 

板橋区から独立して74年、23番目に区となりました。当時12万人程度だった人口も74万人となり、23区で2番目の人口となりました。西武池袋線と西武新宿線に加え、有楽町線、大江戸線が開通し、副都心線がつながったことで、池袋、新宿、渋谷、六本木、横浜までもアクセスしやすくなりました。農地面積も23区で一番、公園の数も一番、住みやすさNo1です。そんな練馬区にもまだまだ課題はあります。

 

1,交通インフラの整備

 

 公共交通空白地域という指標があります。鉄道駅から800m以上、バス停(30分に1便以上)から300m以上離れている地域で、図(練馬区公共交通空白地域改善計画より抜粋)のピンク色になっている地域が練馬区内の公共交通空白地域です。練馬区は23区で一番多い地域ですが、国の答申で大江戸線の延伸が示されており、大泉学園町までの延伸をすると、練馬区北西部の公共交通空白地域の改善に大きく寄与します。都議会議員に当選以来取り組んで来ましたが、事業化までもう少しと考えています。主な課題は、車両基地、収支採算性などですが、車両基地の用地を探し交渉したり、収支採算性については費用の削減について東京都交通局へ提案したりと、要望を続けて参りました。昨年からコロナで乗客数が減り、収支採算の計算を改めて見直す必要があると考えられますが、早期延伸実現に向けて要望を続けて参ります。

 

2,豪雨対策

 練馬区では豪雨による浸水被害も多くあります。30年以上前ですが、子供のころ石神井川が氾濫していたのを覚えています。徐々に石神井川、白子川ともに護岸整備が進み、溢水することはほとんどなくなりましたが、まだまだ浸水被害があります。着実に護岸整備を進めるとともに、ゲリラ豪雨のような集中豪雨の際に水を一時貯める、調節池の整備を進めることも必要です。現在城北中央公園や、環七下など大規模な調節池が事業中ですが、着実に進めるべく要望を続けます。

 

石神井川整備状況

 

白子川整備状況

 

 

3,安全な歩行空間の確保

 練馬区は農地を切り開き住宅街となりました。そのため、道路の幅員が狭い箇所が多く、交通事故が起こりやすい状況です。電柱が歩道の真ん中にあり、ベビーカーや車いすが通れないということも良くあります。こうしたことから、無電柱化を進めるべきと要望してきました。無電柱化の課題として、地上部機器を設置する必要があるため、歩道の幅員が広くなければならなかったり、電柱工事に比べて費用が10倍以上になるコストの問題もあり、なかなか進みませんでした。道路拡幅工事や民間の開発事業に合わせて無電柱化を進めていますが、よりスピード感をもって推進する必要があると考えます。パリやロンドンなど無電柱化率100%の都市では直接電線を埋設しており、コストが少なく済んでいます。都内においては共同溝に敷設するのが一般的であり、維持管理上も必要と考えますが、場所によっては直接埋設でも問題ないと考えます。様々な手法を用いて無電柱化を推進すべきです。

 自転車走行空間の整備も重要です。区内の歩道も車道も狭く、自転車走行が危険な個所がいくつもあります。手軽で環境にやさしい乗り物ですから、走行空間を確保していくことが求められています。もちろん駐輪場整備も不可欠です。

 こうした観点から、都市計画道路を着実に進めべきと考えます。地域の状況によっては計画を見直すことも視野にいれながら、着実に進めるべきと考えます。



 

4,起業支援

事業所数は昭和56年26000件から減少傾向にあり、現在20,000件程度となっています。人口が増えているのに事業所数が伸びないのはベッドタウンとしての位置付けが大きいわけですが、区内産業を活性化し、区民が区内で働く構造を促進していけば、より豊かな練馬区になっていくと考えます。区の税収にも影響がありますが、区内企業は地域に根ざしたサービスを行うことも多く、地域福祉の向上も期待できます。練馬区では区民産業プラザをオープンし、起業支援にも取り組んでいますが、インキュベーション施設をつくるなど、さらに一歩踏み込んだ支援を進めるべきと考えます。アニメ発祥の地でもありますから、アニメ関連産業に絞った支援メニューを充実させることも検討すべきです。官民が連携して練馬区を活性化させていくことが求められる時代と考えます。

 

5,まとめ

 練馬区も時代に応じて変えるべきもの、着実に進めて行くべきもの、両面の対応が必要です。練馬区の課題に対応する東京都の予算を確保し、協力して街づくりを進めて行かなければなりません。練馬区と東京都の橋渡しとしての役割も担っていると考えています。