30年後目線の政策2 地球温暖化対策 | 東京都議会議員村松一希(練馬区)

30年後目線の政策2 地球温暖化対策

 

持続可能な東京、日本、世界を作っていく為には地球温暖化対策は第一に考えなければなりません。このままいけば30年後は海面上昇で東京都の面積が減り、漁獲高は激減し、ゲリラ豪雨が当たり前と、嘘のような本当の現実が待っています。本気で取り組まなければ日本の未来はありません。

パリ協 定 では、2015年 に 国連気候変動枠組条約(UNFCCC)を締結する全ての国が歴史上初めて地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減に取り組むことを約束した枠組みです。

 

世界共通の長期目標は

●産業革命前からの気温上昇を2℃未満に保つ

●1.5℃に抑える努力を追求する

1.5℃に抑えるためには2050年までにCO2排出実質ゼロにする必要があります。

1.5℃と2℃ではどのような変化の違いがあるのかIPCCの報告で科学的検証が発表されました。

 

 

 ゼロエミッション東京戦略より

 

 

都の目標は2030年までに都内温室効果ガス排出量50%削減(2000年比)、再生可能エネルギー利用割合を50%にすることです。

 

1,再生可能エネルギーの活用をさらに促進

 まずソーラーなど再エネ発電設備設置時の助成拡大をすべきです。都では設置時に実質無料で設置できる仕組みを取り入れています。売電価格は下落していますから、見直しが必要と考えます。

 新しい再エネシステム、風力発電、波力、地熱、振動、音などの研究が進んでいます。民間取り組みに対して、より推進するための助成制度が必要です。

 再エネ利用を促進するために制度改革が進んできていますが、さらなる見直しを行い再エネの活用を進めるべきです。

 車の水素利用が始まっていますが、まだまだ車両価格も高く、スタンドの整備もおいついていません。水素スタンド設置基準の見直しや、助成制度を拡充し設置しやすくなりましたが、利用者が増えなければ水素スタンドも増えません。都ではバスに水素車を導入しましたが、さらにゴミ処理車などのFCV化を進め、水素利用を増やしていく必要があります。こうした取り組みが市場を牽引し、民間の水素車導入が進むと考えます。もちろん水素を再エネで作ることを同時に行っていかなければ意味がありません。

 

2,3Rの推進をさらに促進

 Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の推進です。

 Reduce(リデュース)は、製品をつくる時に使う資源の量を少なくすることや廃棄物の発生を少なくすることですが、買う時には長く使えるもの、再利用できるものを選ぶなど消費行動の啓発が必要です。

 Reuse(リユース)は、使用済製品やその部品等を繰り返し使用することですが、リサイクルショップやネットオークションなど、民間の取組が進んでいますが、製造業者への義務付けや、消費者の意識啓発もさらに進めるべきと考えます。

 Recycle(リサイクル)は、廃棄物等を原材料やエネルギー源として有効利用することですが、エネルギーよりも原材料として活用する技術開発や、エネルギーを使わずに再利用する方法など、取組をさらに進めるべきと考えます。リサイクルできる品目を増やし、家庭ごみを減らしていくことで、CO2削減と焼却処分コストの削減に繋がります。

 

3,食品ロス削減をさらに促進

 

 

日本国内の食品ロス発生量は約612万トン(2017年度推計)

都内の食品ロス発生量は約51万トン(2017年度推計)

 

 事業系38.5万トン、家庭系12.5万トンであり、7割以上を事業系が占めていますが、大きな要因として3分の1ルールという日本のフートサプライチェーン全体の商習慣があげられます。これは製造日から賞味期限までの3分の1を過ぎた食品は、スーパーなどの小売が納品を認めず、3分の2を過ぎた食品は店頭に陳列されないという業界ルールです。日本の食の安全性を物語っているものの、IT化の推進によりこの商習慣を見直すことは可能ですから、業界団体に協力を依頼するとともに、消費者への啓発、フードバンクの活用など推進すべきと考えます。

 また家庭内での食品ロス削減の為の啓発を進めるとともに、フードシェアリングの促進など推進すべきです。

 日本の食料自給率は38%と6割以上を輸入食品に頼っている状況を考えると、食料自給率を上げることで、国内産業のの活性化やCO2削減にもつながります。

 都の目標である2030年度の食品ロス半減(2000年度比)、2050年度実質ゼロ達成に向け、食品ロス削減に向けた機運を醸成するとともに、事業者、消費者、行政等のあらゆる主体が連携して取り組みを進めていくことが重要と考えます。ちなみに基準となる2000年の食品ロスは76万トンですから2030年の目標は38万トンとなります。順調に減ってきていますが、ゼロにするためには更なる変革が求められます。