練馬区の財政状況について 【経常収支比率】 | 東京都議会議員村松一希(練馬区)

練馬区の財政状況について 【経常収支比率】

4月1日に練馬区の財政白書が更新されました。

財政白書を元に内容をさらに噛み砕いてご説明したいと思います。

まずは収入(歳入)と支出(歳出)の全体像について説明します。



【普通会計】

普通会計とは地方自治体の収入と支出を国が決めたルールに従って分類したもので、他の自治体との比較が容易です。一方、実際に各自治体が作っている代表的な予算を一般会計といいます。ここでは普通会計の数値を使ってご説明します。



■ 収入(歳入) ■ 2250億円

収入には区が自由に使える「一般会計」と使い道が決められている「特定財源」があります。区独自の事業を展開する為には、一般財源の確保が必要です。

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【特別区交付金】 756億円 33.6%

23区同士の収入の偏りを調整する為に、東京都から交付されるお金です。『特別区財政調整交付金』とも呼ばれています。標準的な施策に要する経費を積算した需要額(基準財政需要額)と標準的な収入額(基準財政収入額)を比較し、需要額が収入額を上回る場合、その差額が交付されます。練馬区はこの特別区交付金が収入に占める割合が33.6%と23区で5番目に高い数値です(23年度)。すなわち需要に対して区独自の収入が少ないということです。



【特別区税】 596億円 26%

特別区民税や軽自動車税など、区民が納める税金です。



【特別財源】国庫支出金422億円19% 都支出金147億円6%

特定の事業に対して国や都から交付される、使い道が決まったお金

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特別区民税、特別区交付金を合わせると、区の収入の約6割を占めます。19年度をピークに減少傾向であり、大幅な増加は見込めません。



■ 支出(歳出) ■ 2201億円


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【義務的経費】1260億円 57%

毎年支出が義務付けられ、簡単に減らすことが出来ない経費

・人件費:職員や区議会議員の報酬など

・扶助費:高齢者、障害者、児童などを支援する経費や、生活保護や児童手当など

・公債費:区の借金を返済するための経費


【投資的経費】233億円 11%

区立施設や道路などを建設するための経費


【その他経費】708億円 32%

物品の購入や施設管理、補助金などの経費



■ 経常収支比率 ■ 89,5%

経常収支比率は、区の財政状況を考えるのに重要な指標です。

毎年経常的に支出される義務的経費が、経常的な収入に対してどれくらいあるかという割合です。

義務的経費 ÷ 経常的な収入



70%~80%が適正な水準といわれ、80%を超えるとゆとりがなくなり、柔軟な対応が出来ない財政状況といわれています。

練馬区は23年度89,5%と過去最高です。

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23区の平均も21年度から80%を上回っており、23区共通の状態ではありますが、特に練馬は23区平均を上回っています。

収入が減少する一方で、生活保護費などの扶助費が増加傾向にあり、経常収支比率の改善はしばらくの間は見込めない状況です。


【まとめ】

言うまでも無く、限られた財源をいかに効率的に使うかが問われています。効率よく適正に使われているかをチェックし、よりよい方向を提案していくのが我々区議会議員の仕事です。良いという方向性が党派や議員により異なります。



私の根本的スタンスは・・・

子供にツケをまわさない

30年後を見据えた政策であるべきと考えています。今良くてもそのツケを誰が払うのか?未来に責任を持った政治でなければなりません。



さて今日は練馬区の収支についての全体像をお伝えしました。

これを前提に個別の事業に対して削減するもの、増額しなければいけないものを今後お伝えしていきたいと思います。


長文を読んで頂きありがとうございました☆
今後も分かりやい説明を心がけお伝えしていきたいと思います☆



詳細を知りたい方は以下練馬区のホームページをご覧ください。
http://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/keikaku/shisaku/sonota/zaiseihakusyo.html



むらまつ一希