2章「本の行方」

世の中は、11月冬の寒さが厳しい季節へと移り変わる中、中々返事を出さない和多志に彼女も痺れを切らせてこう言った。

和多志の仕事は12月迄にさせていただきますと。

この本制作に関わった時,彼女は夢のある本に仕上げましょうねと言った。

だからpeleは、あれは何だったのだろうと一瞬思う事もあったが、来る物拒まず去る物追わずといった考えの和多志は、答えた。

はい了解しましたと。

彼女の頭の中には、大きなびっくりマークが描かれていたに違いない。

彼女は、和多志1人じゃ本になんてなるはずが無いと思っていたからだ。そして,そのまま約束通り12月末がやってきた。彼女は、和多志の前から消えて行った。

和多志は、本を完成していない状況のまま知恵を絞っていると、タイで一緒に勉強していた看護師のさゆりさんが、手伝いますよって声をかけてくれた。

そして同時に、ビジネスパートナー2人も昼,夜,空いた時間を使って,一緒に仕上げてくれる事になり、和多志はこの三人に心から感謝をした。そしてそれから4ヶ月後の5月8日の大安に無事出版される事になった。

結果的に5ヶ月オーバーしたものの、妥協しなくて良かった事にほっとした氣持ちになった。