➖雅紀side➖



先生…翔さんから聞いた過去は

オレが想像していたものより

はるかに深刻で壮絶なものだった


早々に医療の現場から逃げ出したオレなんかが

かけて良い言葉なんてないのはわかってる


けど

これだけはどうしても伝えたくて…



「翔さん」



両手を組み、額をつけ、

神の前で懺悔し祈るように伏せられた顔を

オレの声かけで

ようやくあげてくれた





「その女の子の名前、聞いてもいいですか?

できればお父さんの名前も」



『…咲良、藤村咲良ちゃん、

父親の名は、藤村徹さん、と言います…』



「さくらちゃん、と、とおるさん?」



『はい。。』



オレは天を見上げて星の彼方にまで届くよう

叫んだ



「おーーーーい!

さくらちゃーーん!とおるさーーん!

翔先生は今めちゃくちゃ患者さんのために頑張ってくれてますよーー!

だから、これからも空の上から応援して下さいねーーーー!!

僕も先生のお役に少しでもなれるよう頑張りまーーーーす!!」



『…相葉くん』


「ハッ!すみません💦 近所迷惑でしたよね💦」



『少しじゃありません』


「あっ!めちゃくちゃ近所迷惑でしたね💦

本当にすみません💦」


『いえ。そうじゃなくて、、

助けられているんです。相葉さんに

心も身体も。

めちゃくちゃ、助けられてます』




そう言って

小さく微笑む翔さんの顔を見たら


胸につまっていた想いと一緒に

涙がぶわぁぁと溢れてきて



〝私の葬儀でもこの子は

こんなに泣かなかったのに〟


と、天国の母ちゃんに笑われちゃうくらい

涙が止まらなかった






つづく……