久しぶりに和と会えて、テンション上がって

アレコレ喋り過ぎたみたい



前の職場を辞める際、

和がオレの代理で病院とかけ合ってくれたおかげで

解雇から自主退社という形を取ることができ、

想定よりも、かなり多くの退職金をもらう事ができた


でもオレは

ショックから立ち直れず、かなり自暴自棄な生活を送っていた


毎晩のようにBARに入り浸る日々


そこで出逢ったのが薫だった




いつものように浴びるほど酒を飲んでいたオレに、

気さくに声をかけてきた薫は、まるで世間話をするみたいに色んな話を聞かせてくれた


ゲームや映画の話だったり、

競馬やゴルフの話だったり、

時には歴史や政治の話だったり


いつの日か

オレは馨に惹かれ、家にも遊びに行くようになり、

そこで

カラダを重ねる関係になった



一緒に暮らしはじめてからは

オレの生活は薫を中心に回るようになった


薫好みの服を着て、

薫好みの香水をつけ、

薫の好みの料理をつくって、


薫の好む体位でスる



いつの間にか

嫌われたくない一心で顔色ばっか伺うになっていった


反論や詮索なんてもっての外


言いたいことも我慢する



それが人との上手な付き合い方だと

本気で思っていた





〈恋は盲目〉って、言うけど、あれって本当だな、、




あんなに尽くしてきたのに……

別れはあまりにもあっけないもので



ある日、一枚の書き置きを残して、薫は姿を消した


アパートの家賃滞納金を全てオレに押し付け、行方知れずに




そんな酷い捨てられ方をしたのにもかかわらず

時々、薫のことを思い出してしまうのは

まだ未練がある……から?




それとも……





「ただいまです」


『あ、お帰りなさい。楽しかったですか?』


「はい」


ハッ


『っ…先生!そんなのオレがやりますからっ、、」  


オレは慌ててアイロン掛けしながら振り返った先生の元へ駆け寄る


『ハハハ、、アイロンがけくらい、自分でできるようにならなきゃならいと思いチャレンジしてみましたが、難しいですね。

シワを伸ばすたびに新しいシワができてしまうんです…。お恥ずかしい、、』




ほら

また思い出してしまう



〝アイロンがけくらいちゃっちゃと済ませとけよな。

俺、パンツや靴下にシワって生理的に無理なんだよね〟




先生の気づかいが

ほんっとオレには


勿体無いくらい


優し過ぎるから…


 






つづく……