【?side】
俺はこう見えて、
けっして暇じゃない
話があるからとスタバに呼び出され、
席に着くなり、ずっとこの調子だ
「ーーでね、オレが在庫確認しながら補充していたら
いきなりだよ?
〝相葉さん、今から緊急手術します!用意してください〟って。
〝えーーっ、無理無理無理!オペ経験ないです!〟
って断ったの。
だって機械だしなんかしたことないし、
それに麻酔科医だっていないんだよ?
なのに先生は
〝僕がフォローしますから〟って。
一応、処置室の奥には手術室があって
そこで先代が簡単なオペしてたらしいの。
でもまさか突然そんな無理に決まってるでしょ⁈」
「……確かに」
「でもね?先生ったら、患者さんを抱っこして連れてきちゃって、手術はじめちゃったの」
「っマジ…で⁈」
「うん。オレ、もね、一応頑張ったよ。首の手術」
「首の手術を⁈ ・・で、成功したの⁈」
「うん!
汚れを落としてから、綿花を足して、針と糸でチクチク」
「・・それってさ、もしかしてヌイグルミか何か?」
「んふふふ。・・・・・・・正解!!
あいかわず鋭いなぁ」
「鋭くも何ともないわっ」
盛大に突っ込みたくなる気持ちも分かるだろう
「先生ってボタンつけとか裁縫はまったくできないのに、傷の縫合はめっちゃ丁寧でね。スイスイ縫えちゃうの。神の手捌きだよ、あれは✨
あ、包帯はオレが巻いたよ。それは得意になったの。猛特訓したから。ちなみに湿布貼りも得意!」
「・・・・・」
「でね、先生は、
〝また怪我したら治してあげるからね〟って
優しく女の子に返してあげたの。
あ、プーさんはね、その子が道に落っことしちゃって、走ってきた自転車に轢かれて、首がもげそうになったの。
でね、でねっ、先生ってばね、、」
「ーー相葉さん?」
「ん?」
「さっきから、ずっとそればっかよ?」
「それ・ばっか?」
「先生、先生、先生…」
「そっ、かなぁ? 」
「新しいアパート見つけて引っ越すんじゃなかったの?」
「だから、その話はさっきしたじゃん。。
車を買っちゃって、またお金が貯まるまでしばらくは…」
こっちの心配をよそに
あんたがさ
あんまりにも
楽しそうに無邪気に、はしゃいでっから
つい…
「いいの?それで?
もう諦めついたの?あいつのこと」
心の傷痕を
指で弾いちゃったんだよね
つづく……
