『針の角度は……そう。その角度で……』


「はい、、」



チクッ



『っ…』


「すみませんっ、、痛かったですよねっ、、」



『…っ全然、大丈夫っ…。針先グラグラしないように親指と中指で固定しながら、人差し指でゆっくり血管に沿って針を進めて』



「固定…しながら…針を……」



『そう!そしたら接続チューブをつけて、点滴が落ちてることを確認したら…

フィルムテープで針先を保護するように固定して』


「っ…できた!」



『OK!完璧です』





うち(診療所)は、限られた設備での診療となるため、高度な治療は専門の病院にお願いし診てもらっている


だから

必要な看護も採血や点滴などがメインで

それに慣れさえしたら

相葉さんもぐっと働きやすくなるだろう



だから診療後には

こうして、実技トレーニングのために

両腕を提供している




相葉さんは、

今は要領が良くはなくても 

経験を重ねることで、着実に身につけてゆくタイプに思う


何より

相葉さんの笑顔はどんな治療よりも

患者さんに元気を与えてくれている



もちろん

僕もその笑顔にずいぶん助けられてる一人だ




「すみません、、先生の腕あちこち黒くしちゃって、、半袖着て外歩けませんよね、、」



『大丈夫、大丈夫。往診も白衣ですし、ぜんぜん分かりません。

それより…

ずっと気になっていたのですが

相葉さんはどうして医療から離れていたんですか?

どこの病院も看護師不足と聞いてます。

うちなんかで働かなくても、引くて数多だったでしょう?』



「・・・・・・」



『あ、言いたくなければいいんです。ごめんなさい』








「・・オレ、訴えられちゃったんです」



『訴え、られた?』





「はい。。。



患者さんに…」











つづく……