あんな酷い態度を取ったんだ
もう2度と俺の前には現れない
そう確信していた
・・それでいいんだ、と
なのに
翌日、会社までのこのこ尋ねてきて、
不在だった俺の帰りを夜遅くまで社外で待ち続けていた
しかも俺を庇ってナイフで刺され、こんな怪我まで負わされて…
俺を襲った犯人は
俺の(義)弟
兄弟間の確執から起きたトラブルに
全く関係のない雅紀を巻き込んでしまった
幸い傷は浅くて大事には至らなかったが、
これはれっきとした犯罪だ
罪は償わせなければならない
被害届は出さないという雅紀に
被害届を出すように迫ったが
「これはただの事故だよ。俺がつまづいて彼を押し倒しちゃってそれでたまたま怪我しちゃっただけ」
の、一点張り
それどころか
逆に
俺のメンタルの心配まで……
こんな
こんな俺なんかのために…
「・・翔ちゃん?どうしてそんなに震えてる」
弱音なんて吐けなかった
吐いたら負けだと思っていた
(義)弟をあそこまで追い込んでまでも俺は
自分の居場所に
しがみつくので必死だった
なのに壊れるのは、こんなにあっけないなんて…
それはまるで砂の城のように
脆くて儚ないものだった
けれども
虚しさに打ちひしがれていた俺に
雅紀は涙を流し救いの手を差し伸べてくれたんだ
「一緒に帰ろう」
と、、
つづく……
そう思っ

