ウィーン

ドアが開き

小さく近付いてくる廊下の音



この足音は……





まさ…き…?







「翔ちゃん来たよ」




あぁ…雅紀…





「状態が安定してるって先生(医者)教えてくれて安心したよ」




閉じた瞼も開けられず

指一本動かせない体だけれど



その声は

かすかに俺の耳に届いていた




「本当はもっと顔見に来たいんだけど、面会の許可がなかなか降りなくて、、来れなくてゴメンね。。」




謝んなよ…雅紀


俺のことはもういいから…




お前は俺なんかに縛られる必要ないんだ




声を聴いただけで分かるから



お前の気持ちが…



どんだけ明るく振る舞っていても






その想いだけでもう十分だから…




お前のマネージャーになり

パートナーにまでなれて



一生分の幸せを使い切ったんだよ俺は





だから雅紀、、



俺の犠牲になるのだけはやめてくれ




お前はお前の人生を生きて欲しい


 



ただそれだけが…




俺の願いだ










つづく……





コールドスリープ状態の

翔の想いを書いてみました


雅紀の声は翔に届いていたね