「ショウ」


オレがその名を口にしたら


翔ちゃんは何も言わずクルリと背を向けた




思い出したその記憶の名は

翔ちゃんじゃなかったのだろうか?


不安になる


けど…

あのオルゴールボールをくれたのは確かに

ショウだった




「・・ショウ…ちゃん?



『・・・・』




肩が、震えて…る?




前に回り込んで

顔を覗き込んだら



「あ…」



ショウの大きな瞳には涙が浮かび

ユラユラ揺れていた



『っ…見るな』



「ゃだよ」





『…っ……』





「やっと逢えたんだもん」






神様…



まだまだ足りないかもしれませんが


オレはようやく人の心というものを


学ぶことができたような気がします






「ショウ…聞いて」




『・・・ん』






「オレははじめてショウに逢ってからずっと…」







「ショウのことが」




けれど


その先は言わせてくれなかった




「っ…//」





オレの口をショウの唇が塞いだから




「っ/////」




それはほんの一瞬の出来事だったのに

唇が離れても心臓がバクバクして息がうまくできない


そんなオレをショウは抱き寄せ

優しく背中を撫でてくれた




少しずつ息が落ちついて

顔をあげれた時


ショウの目にはもう涙は消えていた





『マサキ』


ドキッ 

はい




『俺はお前が』


ドキドキッ





『お前のことが…すぅ…す…っ…』


ドキドキドキドキドキッ






『好きだ』














つづく……






次回でラストです