まさか自分までも赤ん坊の姿で

しかもマサキより先に産まれ堕ちていたとは思わなくて


お前を探し出すのにはかなり苦労したよ



やっと見つけた時は嬉しくて

園庭を走り回るお前を遊具に隠れながらずっと見ていた



それからも小中高、そして大学まで

通いつめ、ただただ遠くから見守り続けた


 

けれど成長するに連れ

防御のため張られていた結界が緩み始め


お前の存在に気づくモノが出始めた



もう遠くから見守るだけでは

護ることができないと察した俺は


お前を自分の元へと引き寄せた



案の定…

お前は俺の顔を見ても全く覚えてなくて


そんなお前の顔を

俺もまともに見ることができなかったんだ

 


ゴメン

最悪な態度とっちまって

嫌な思いさせたよな


お前は何一つ悪くないのに




その後

立て続けに襲われ

住処も奪われたお前を俺の家にかくまった



その方が護衛のための最善の策だ

深い意味などない


そう自分に言い聞かせながら




荷物を少しでも取りに行ってやろうと

荒らされたマンションの部屋へ足を踏み入れた時に

引き出しから光るものを見つけた



それは

俺がお前にあげたオルゴールボールだった




オルゴールボールを手にし胸に当てると

お前がどれだけそれを大事にしてくれていたか

すごく伝わってきて




涙が出た












蓋をしてきた想いと一緒に…








つづく……






これを踏まえて1話から読み返してくれたら

あ〜そうかぁ〜ってなるかも