自分の身を盾にしガラスの剣からマサキを護ったショウ
その傷痕から流れ堕ちた血が
召喚円図を焼き消し
マサキの体は自由を取り戻した
「翔ちゃん!翔ちゃんっ!!翔ちゃんっ!!!」
どんなにマサキが泣いてその名を呼んでも
閉じたショウの瞼は開かない
「オレなんかのために……」
マサキの目から水晶のような涙が零れ
ショウの口元へポタリポタリと堕ちる
「ごめんなさい…翔ちゃん…」
グッタリと横たわるショウを抱きしめ
悲しみと懺悔にくれているマサキを
窓から侵入して来た闇堕者らが囲む
「ったく手こずらせやがって、、」
「留めは俺が刺す」
「好きにしろ」
「じゃこっちのひ弱な天使様は俺が」
「おいおいその前に裏切り者の血啜らせろ。鮮度落ちるとクソ不味くなるんだよ」
「…黙れ」
「あん?」
「…るな?」
「穢れた手で翔ちゃんに触るな!」
バサリ
マサキの背に純白の羽根が生えた
その瞬間
瞬い光を放ち
闇堕者らは一瞬にして消え失せた
「…一緒に戻ろう? 翔ちゃん…」
血の海に沈んだショウを抱き抱えたマサキは
羽根を大きく広げ
天へと翔び立った
つづく……