部屋中に響き渡る断末魔


〝オマッエモ…ウラギ…リモ…ノッ…ノクセ…ニ…〟


マサキを襲っていた闇堕者は

そう最期に吐き捨て

灰となり消えた




その一部始終を

恐怖に震えながら見ていたマサキは


信じられないという目で俺を見つめた



当然だろう…

人間だと思っていた奴が

こんな化け物みたいな恐ろしいチカラを使うんだから




「…しょ…ちゃ…ど……し…て?」



ギシギシ軋む窓



「……裏切り者…って………なに…?」



ギシギシ メリメリ


「教えて…よ…しょ…ちゃん……」




ガタガタガタ

メリメリメリメリメリッ


バリバリバリバリッ


ガシャンッ



窓ガラスが割れ

その破片が鋭い剣と化し一斉に

マサキに襲いかかる


『マサキ危ない!!逃げろっ!!!』



しかし

魔法召喚陣円から伸びた複数の黒い手が

逃さまいとマサキの足首を掴んでる



ダメだ間に合わない!!



召喚陣に飛び込み


覆い被さるようにマサキを抱きしめ

全ての剣を背で受け止めた




ングッ ゴフォッ……ブフォッ




「っ!!!!しょうちゃんっ!!!!!」




口から出たのは



『…サキ……』





想いを断ち切ることのできなかった

その名と



黒ではなく暗赤色の血




嗚呼…


人間になれて



ようやく俺は












お前に近づくことができたんだな…








つづく……