マサキが危ないんだ!!

ガジュマル力を貸してくれ!!


割れた破片が刺さった左目を抑えながら

念じると


レーザービームのような光が伸び

行手を示した



ありがとう!!ガジュマル!



外に一歩踏み出すと

纏わりついた生臭い風


吐き気がするほどクソ気持ち悪い



光を追いかけ全速力で駆け出したが

強烈な向かい風が行手を阻む



クソッ

俺の背中に羽根があればっ…



体にまとわりつく風を切り裂き蹴散らしながら前に進む




「…メロ…ッ…ルナ…ッ…!! ーーーッ!!」


濁った風に混じって聞こえてきたその声は

紛れもなく…



『マサキ!!』




一刻も早く助け出さなければマサキの命が危ない





ギアを更に上げ走りに力を注いだ



そして

光が示したマンションにようやく辿り着いた



ドス黒い靄(もや)が窓を覆った一室



あそこにマサキが!!




このままだと近隣の住人も巻き込んでしまう


マインドコントロールで住人たちを避難させ

結界を張る





待ってろマサキ!今から助けるから!!



ドアを破壊し中へ突入する





するとそこには



マサキの上に馬乗りになった闇堕者の姿が




その手には邪気を放ち光る剣




『そいつから離れろ』






『聞こえないのか⁈』





怒りの炎を掌に集める




『ならば…』














『消え去れ!!』







つづく……