机上ではありそうな事例だが、実際はあまり見当たらない事例
というものがあります。
先日解決をしたご相談は正にそうした事例。
細かい内容は書けませんが、簡単に言うと、
「家を買う当時、ローンを組めない自分に代わって、
姉がローンを組んでくれて、月々の支払いは
自分達でしていたが、その姉が亡くなってトラブルに・・・」
というものです。
ローンを組めない自分になり変わって兄妹姉妹がローンを
組むのは意外によくあるのですが(建前上、金融機関では×ですが
担当者が唆してやってしまうことがあります)
これは万一のとき、大きな問題を含んでいるのです。
その問題とは・・・
1.もしその兄妹姉妹が亡くなった場合に相続税、今までのローンの支払いの
対応はどうなるのか?
2.単純に住んでいる自分たちが月々の支払いができなくなったらどうなるのか?
この2点です。
今回のケースは1の方ですが、2も大変で、ローン滞納により兄妹姉妹が
アウトになりますし、もし他に不動産を持っているならそちらも差押えが
入るなど大騒ぎになるでしょう。
さて、今回のご相談は1でした。
まず相続税の問題が浮かびました。
ローンは団体信用生命保険で消えましたが、その分相続税の計算には
不動産が丸々と加算され、数百万円の相続税が発生することになったからです。
お姉様は離婚され配偶者がいないため、大きな税額控除が受けられないのも
痛かったのです。相続税がかかる事態になりました。
そのため甥からは、不動産の買取り+相続税の支払いも請求され
かつ、ローンの支払いとして姉に振り込んでいた金銭も、
きちんと書面を交わしていなかったため、
甥からは「ローン返済ではなく、賃料ではないか?」と疑われ紛糾する事態になったのです。
要はこちらで全てローンを支払っていたのだから、
不動産は時価相当で引きとって欲しいということだったのです。
今までローンを支払っていたご相談者様は、
「今までのローン分はなかったことになるの?」
と憤懣やるせない様子でした。
今回、話し合いに話し合いを重ねて、ご理解をいただき、
何とか買い戻しも行えて事は収まりましたが、
何だかんだで半年ぐらい時間がかかりました。
「良かったです。眠れない日が続いていましたが
ようやく熟睡できます。」
とご相談者様は言われましたが、当人も仰られたとおり、
早目に買戻しをしてればこのような事にならずもっと費用も節約できたと思います。
今回、相手が弁護士を入れてきたので、費用が大きく膨らんだからです。
せめて、意思疎通ができ経緯も知っているお姉様がご存命なら
ここまでにはならなかったでしょう。
今回のはあまり見られない事例ですが、
論理的にはありうるケースでした。
やっぱり、実際にはあるんだな、と思いました。
私も初めての経験でしたが、その初めてを何とか解決できて良かったと思います。
次はもっとスムーズに解決しよう、そう思いつつ、今回の経験をまとめて
いつかある同じケースに対応していこうと考えています。