F男の病的希求日記 「生きることとみつけたり!」 -124ページ目

PTSD(心的外傷後ストレス障害)


PTSDは、post traumatic stress disorder(ポストトラウマティックストレスディスオーダー)の略で、心的外傷後ストレス障害と訳される。

戦争や災害、事件や事故といった命に関わるような被害に遭った場合に、PTSDは発症する可能性がある。


その特徴は大きく3点。

①侵入体験 ②麻痺あるいは回避 ③過覚醒

侵入体験というのは、被害体験に関係する物や場面に出会った時に当時の場面を思い出してしまうのはもちろんのこと、日常的に全く突然に、自分の行動とは無関係に唐突に、被害に遭遇している場面を“あたかも目の前で今起きているかのように”思い出してしまうことを言う。


それを「フラッシュバック」と呼んだりもする。


しかも、ただ思い出すんじゃなくて、音や匂い、体の感覚に至るまで再体験させられてしまうから、とても辛いものなのである。


過去の出来事だと頭ではわかっているものの、体(心)は被害体験を忘れることができないのである

そういった耐え難い被害体験から自分の身を守るために、感覚が麻痺することがある。


PTSDの患者さんは、「何も感じない」とか「悲しいとか辛いという気持ちがわからない」と言ったりもする。


あるいは、被害体験に関係しそうなどんな些細な出来事にも近づかないように、行動範囲が狭くなったり、特定の場所や出来事を避けたりするようにもなる。


それが、麻痺あるいは回避という特徴。

一方、一見感情がなくなってしまったように見えて、体の緊張状態は物凄いことになっている。


それは、同じ被害に遭わないように常に身構えているようなもので、些細な物音に驚愕してしまったり、神経が昂った状態になり眠りが浅くなってしまったりする。


そういう状態を過覚醒という。

以上のような特徴的な症状をもったPTSDは、記憶の機能の内、「想起」に関するところに強く障害が起きていると考えられる。

被害に遭った人は、過去の辛い出来事を忘れたいと願うけど、自動的に想起して辛い思いにさらされ続ける。


一方、被害体験を想起しようとすると、辛すぎて思い出すことができない。


つまり、通常は好きな時に好きなように過去の出来事を想起できるんだけど、PTSDになると、想起に関してコントロールがきかなくなってしまう。


そういう意味では、PTSDは間違いなく“今、辛い”のであって「過去の出来事なんだから忘れて、今を生きようよ」なんて励ますことは、全くの論外。


PTSDの人は、「誰にもわかってもらえない」という気持ちを強く持っているから、まずはその気持ちを理解することが重要。

PTSDに関する理解で、最も大きな誤解は、「過去に辛い被害体験をした」という理解の仕方。


そうじゃなくて、PTSDは「今、辛い」のだということを忘れずに支援していこう。


対応のポイントについては長くなってきたのでまた明日。