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AREA73 MY NEXT THIRTY YEARS

1973年出現、船長、だけど今は陸での仕事。
海に戻りたい坊主おやじの出来事、気になる事。


インド洋を航行中。

もうすぐ赤道です。

ただ、あいにくの天候。

Malacca海峡を抜けインド洋に入ったら直ぐに低気圧に当たり、ちょっと荒天。

そんなに酷くはなかったですが、何せ向かい風、全然スピードがでないんですよ。

今は赤道のやや北側にあたり、赤道反流と向かい風により、コレまたスピードが出ない‼︎


赤道を越えたら海流が西向きに流れているので西に向かうボクらにとってはイイ流れになるはずなんですが、この季節の南インド洋は荒れ荒れ。

インド洋がっていうより、南半球が荒れているんですよね。

冬場の北太平洋のように。

いや、北半球みたいに大陸が多くはないので抵抗となるものが少ない南半球の荒れ具合は広範囲に拡がって来るので、どこを航行すべきか迷うんですよね。

意外と小さな島がインド洋には点在し、行きたい方向にまっすぐ進めなかったり、航行禁止や制限海域も結構あり、その上低気圧が次から次とくれば、ホントどこに針路を向けるべきか悩むんですよね。

一見穏やかそうに見える海。

でもうねりが大きく、船を揺らすんですよね。




「Against All Odds (Take a Look at Me Now)」Phil Collins 1984年リリース。

Phil Collinsの初めてのUS Billboard Hot 100にて1位を獲得、更には様々な賞へのノミネートや獲得した昨日。


映画【カリブの熱い夜(Against All Odds)】の楽曲として提供されたこの曲はパワーバラード。

元々は彼のデビューアルバム『Face Value』に収められる曲の一つであったとのコトであったようですが、何故か外れ、この映画の曲として提供され、大ヒット。

彼の別れた妻に捧げた歌だというのは有名な話。

って、未練たらたらな曲です。

でも、イイ曲ですよね。

さすがPhil Collins ピアノメインで始まった楽曲は後半からドラムが叩かれ、更に感情を露わにしたかのようなハゲしい歌声。


Malacca海峡通峡中。

なかなか航海らしきコトをアップできていませんでしたが、日本の港を周り、中国、マレーシア、シンガポールと寄り、ようやくインド洋に出る為にMalacca海峡を航行中。


シンガポール付近はホント何度通ってもイヤですね。

船が縦横無尽に行き交い、常に緊張しっぱなし。

って、20年前に比べたら管理がされ、だいぶんと航行の整備がされているんですけど。


今の船、三等航海士が2人乗っているのですが、1人はフィリピン人、もう1人は日本人。


フィリピン人の方は三等航海士成り立て。

日本人の方は…3年目。


フィリピン人の方は初めての三等航海士ですが、コレまでも船に乗っており、成り立てってコトでやる気は十分。

まだカラカラと空回りしているコトが多いですが、どんどん吸収していってくれるので、まぁ育てているって感じ。


一方、日本人の方、3年目、イヤ4年目かな…でもね…って感じ。


大人しいというか、覇気がないというか。

与えられたコト、コレまで前任がやってきたコトをこなすコトでまだ精一杯。

いや、精一杯って感じではない、なんというか焦りがないというか、必死な感じがないんですよ。


航海術においても、なんだかはっきりせず、舵切りのオーダーも声が小さくて、かつその舵切りに思い切りがないというか、なんか中途半端。

う〜ん、コレじゃ困るんだよなぁ。

任せられないんだよなぁ、当直。

大洋航海の船の少ないトコならイイのですが、Malacca海峡のような船が多いトコでは、確認力、判断力が求められ、タイミングや躊躇せずに行動に移し、更に先を考え、読みながら、Bプラン、Cプランを考えながら舵を切り、航行をしていかなければならないんです。


周りの船が自分達が想像するように動くとは限らないので、「多分こういう動きをするだろうから、ボクらこっちから行こう」って考え舵を取って、針路を決めるのですが、アタマの中では違う動きをされた場合にそれに対して対応できるプランを考えておかなければならない。

それも一つの船に対してだけではなく周りにいる船の動きに対してどう動いているかを予想してボクらが進めるであろう針路を定めて。


だからボクらが行動を起こす時、周りの船に対して行動の変化を分かって貰えるように、大きなアクションを取らないといけない、中途半端な行動だと周りから見てボクらの船の意図が分からないですからね。


なのにこの行動が中途半端というか、小さな動きしかしない、つまり針路の変更をしても、周りから変えたかどうかぎ分かりにくいような針路変更なんです、彼の指示は。


それにタイミングも遅く、その行動を起こすなら3分前までにしなきゃ、逆にキケンな状況になるのに、なかなか判断ができず、ようやく彼が行動に移す時には時すでに遅し、みないな。

なので彼の当直時間は取り敢えず船橋にいて、どのような操船をするか見ながら共に航海当直。


基本的には彼がメインの指揮を取るコトとして…先ずは彼に判断させるというやり方。

でも、ボクが許容できる時までに行動を起こさなければ助言、それでもその行動が遅かったり、明確なものでなければ、ボクがその時はキケンを回避する為に指揮を取り…。


そうしないと育たないからね。


横でヒヤヒヤですよ。


ボクならとっくに舵を取り、キケンな状況を回避しているのに、まだ横で判断に悩んでいる…もしくはそのキケンが迫っているコトに気付いていない彼。


単純に考えたらボク自ら指揮をとった方がラク。


でも、やはり若手を育てなければならないから、ボクの許容できるまでは待ったり、許容の達する前に助言したり。


まぁ、少なくともボクの方が船を動かすコトに関しては彼より経験はあるので。


でも、コレって経験もですが、やはりセンスもあるんです。

(敢えてボク自身のセンスは無視して…。)

新人、若手でも、センスのあるヤツ、確認力のあるヤツ、決断力のあるヤツと、やはり性格的なモノもいて、逆に「そういう動きで回避するのかッ‼︎」と感心するコトもありますからね、中には。


なんでもそうですが、タイミングを逃すとその行動を取るコトがキケンな方向へ自ら導くコトに成りかねないですからね。

「ちょっと待って‼︎」と何度言ったか、今日は。


「A Little More Time」SEIKO

1996年アルバム『Was It The Future』に収められている曲です。

このアルバム好きなんですよ。

近年『SEIKO•JAZZ』シリーズをリリースして再びUSでのリリースを地道にしているSEIKO MATSUDAですが、そんな中の記事で〝当時はアメリカに合わせようとし過ぎて自分の、個性を表現できていなかった…〟というようなコトを語っていたようですが、Robbie Nevilをプロデューサーに迎えて、長年在籍していたSonyを離れて、『Seiko』の時のように後ろ盾があってのリリースではなく、自ら再チャレンジしたこのアルバムは纏まりもあり、新たな松田聖子の一面をみせてくれ、ある意味『SEKO•JAZZ』にも繋がるような楽曲、アレンジ、歌声も聴くことができて、落ち着いて聴くことができるんです。

そんな実質ラストを飾る『A Little More Time』。

この中ではハードなアレンジですが、カッコいいんです。

サビのコーラスとの掛け合いもスピード感があり、一方囁くような歌声もイイ。

ブリッジ後の間奏後の♪wait a minute がホントにイイ‼︎


フィリピン人の三等航海士にはそんな「Wait a minute!!」とは言わずに済んだんですけどね。


まぁ、イイことなんでしょうけど。

船長のボクを含めて25人の乗組員で200mの船を動かしているのですが、日本人とフィリピン人船員の混乗船。
今や外航船で日本人のみの船なんてないんじゃないかなぁ〜。
なので、外国人船員と乗るコト自体何も珍しいコトではなく、いつものコト。

そんな25人ですが、世代は様々。
船長させてもらっていますが、今の船では年齢的には3番目にジジィ。

若いのは25歳。
ほぼボクの息子と変わらず、ボクが船乗りを始めた頃にはまだ存在さえしていない、そんな若者も。

そんな1番若いヤツ、なんだかんだ話をするんですよ、休憩のお茶の時間なんかに。

(昨日アタマ刈りました。)

乗ってきてすぐの時、彼がちょうど居たのですが、どーも、新しい船長が乗ってきたとは思ってなかったみたいで。
周りの話すのを聞いて、途中からボクが新しい船長だと分かったらしい。

乗って、皆に挨拶しないの?って⁇

いや〜何人か知った顔、以前に乗った顔ぶれがおり、そんな人達が話しかけてくれるものだから、敢えて「船長のarea1973です」とは言わないまま、「今回もよろしくね。」みたいな感じで始まったからなんですが。

ただ、新しい船長が乗ってくるのは彼も知っていたはず。
何せ彼は司厨部で調理の手伝いや部屋の掃除をしてくれるから、前任の船長が下りるのも分かっていて当然ですから。

なのに、新たなオッさんが乗っていたのに?
一緒にもう1人日本人の機関士と乗船しましたが、彼は若いし。

こんな話を何故アップするのか?
既に乗船してから半月以上経つのに。

この彼、どういうワケか2、3日に一度、休憩の時などに話ていたらボクのコトを「若い」というんですよ。

何をそんなに⁇と思うんですが、既に何度も「若い」と言ってくるんです。

ボクが乗船した時に初め新しい船長だと分からなかったのは、こんな若いはずがないと思ったからだと。

いやいや、おちょくってるのかい⁈
どう見たって50を過ぎたオッさんだろうよ。

だから幾つくらいに見えたんだ?って聞いたら、30代後半くらいと。

はぁ〜? どんな目してんだぁ〜??

「若いですね」なんて言われても、大体はリップサービス、話の流れを掴む為だけのコトで、よくよく聞くと、「40代後半、50代には見えないですよ。」というのが殆どで、別に若いなんて思ってない、年相応に見ている、見られているんですよたいていは。

だから、ハイハイ、いつものコトって流すんですが、この船の一番若いヤツ、この司厨部の若いヤツはボクが「30代後半くらいに見える」と。

別にボクから聞いたワケじゃないですよ。

折があるとそんなコト言ってくる。

なんだ⁈ 何が目的だ⁈

オッさん煽てたって何も出てこないよ!


(髭の白髪以上にクビの横筋がジジィ)

すっかり顔にシミも張り付き、『昨日までこんなしみあったっけ?』って思うほど、シミも増えているし、吹き出物が出来るとなかなか治らないし、痕が残るし。
髭なんて白髪の方が多いし、眉毛は今まで以上に伸びるが早く、定期的に切らないとますますジジィに見えるし…若い子みたいに眉毛整えてっじゃないですよ、ただ暴走して伸び、抜け落ち元気もないから長いまま留まっているだけのヤツ。

そんなオッさんに何をいう?
やっぱりおちょくられているのかい?
不思議だ、そんなコトいう彼が…。

以前こんなコトがありましたが、

既に6年経ってますね。

今当時の顔を見たらまだ若いと感じますが、それは今と比べてですからね。


ただ時々、こうやってあり得ない程若く言われるのはなんだろうか?

不思議だなぁ。


やっぱりそんなに落ち着きがないのかなぁ〜?


「Middle Age Crazy」Jerry Lee Lewis, Tim McGraw & John Broin。


1977年にJerry Lee Lewisがリリースしたこの曲、抒情的な歌声に、カントリーバラードなアレンジのワルツで、体力的に衰えを感じ出した40代(!?)の男の心情を歌うもので、彼の代表作の一つ。


そんな彼ね代表曲を2010年、Jerry Lee Lewisと共に様々なアーティストが歌ったアルバム『MEAN OLD MAN』がリリースされ、その中でこの曲はTim McGraw & John Broinが参加しています。

Tim McGrawのコンピレーションアルバムにも収められています。


40代で体力の衰えに危機を感じているだとぉ〜?ちょっと滑稽にも感じますね、そんな40代を過ぎたボクの今では。

いやいや、まだ40代は若いよってね。