SLAUGHTER LORD / THRASH 'ILL DEATH 86 - 87 | Hard “metal” Core Side

Hard “metal” Core Side

福岡県在住の美容師が好き勝手に執筆する
80年代を中心とするハードコアパンクや主にマイナーなスラッシュメタルや
90年代以降でも80年代の要素を取り入れている音源のレビュー形式日記です。

今回はSLAUGHTER LORDをご紹介。

今回ご紹介するSLAUGHTER LORDは80年代中期に活動していたオーストラリア出身デス/スラッシュメタルバンドです。

85年に結成された前身バンド「ONSLAUGHT」を経て87年までの短期間の活動にも関わらずダイハードスラッシャーはもとより近年ではベスチャルブラックメタラーやハードコアパンクマニアックスにもリスペクトされる硬派でアンダーグラウンドなパンクやメタルが好きな方に非常に人気の高い存在です。


こちらは2000年にアイルランドのダブリンを拠点にしているアンダーグラウンドメタルレーベルINVICTUS productionsからリリースされた当バンドのコンピレーションアルバム「THRASH 'ILL  DEATH 86 - 87」のアナログ盤とCD盤です。

全音源集とはいかないものの、86年のリハーサルデモ、87年「TASTE  OF  BLOOD」デモ他を収録されたものではありますがこのINVICTUS productions盤を始め今日まで幾度か再発されていることを物がたっているとおりの人気作で、このアルバムに収録されている「LEGION」という曲がスウェーデンの有名メロデスバンドAT THE GATESにカヴァーされたことでこのバンドが注目された出来事はダイハードスラッシャーの方達には割と有名ですが(ジャケットについているステッカーシールにそのこともアピールしている)、筆者はこのバンドに出会ってもう10年以上は経過していますがいつ聴いてもホント凄いと思います。

※後にギターのSANDY VAHDANNI氏はさらにイーヴィルさを極限にまで推し進めた伝説のブラックメタルバンドSADISTIK EXEKUTIONに、もう一人のギターMICK BURKE氏(2017年に逝去)とドラムのSTEVE  HUGHES氏はあの正統派METALLICAフォロワースラッシュメタルバンドで有名なMORTAL SINに加入しています。メンバーのジャーマンスラッシュメタルバンドに多いレザージャケット、袖切りデニムベストにガンベルトで武装したスラッシャーファッションがカッコいい!
メンバーショットからしてそんじょそこいらのメタルバンドとは全く違う、ただならぬ雰囲気を醸し出しているこのメンバー写真は確かジャーマンスラッシュメタルバンドASSASSINの1st アルバム「UPCOMING  TERROR」のインナーシートに親交の深いバンドとして日本のCASBAHと共に掲載されていたと思います。

※インナーシートには当バンドと親交のあるバンドが掲載されていますが先のASSASSINやスウェーデンのBATHORYが掲載されているのは理解できるものの中にはHARD ONS の名前が...。あのメロディックパンクのHARD ONS !?
意外な交友関係も拝むことができます。


音の方はといいますとコレがダイハードスラッシャーやメタルにも興味を持ち始めたハードコアパンクマニアックスにも大満足するであろうとにかくイーヴィルで速くやはりデモでしか発表していなかったバンドに共通する音質が非常に汚く野蛮な雰囲気がこの作品から充満しています。


音質の粗さやイーヴィルな雰囲気はBATHORYの1st アルバム並みでスピードの基本ベースはKREATORの2ndアルバム「PLEASURE  TO  KILL 」直系のプレデスメタル的な崩壊寸前で雪崩式に暴れまわるデスラッシュでイーヴィルさの雰囲気は特にヴォーカルが非常にいい仕事をしていますし、時折ブラストも叩き出すドラムの暴れっぷりや突如と切り刻む無茶苦茶なギターソロ等この当時にしては相当なインパクトはあったであろう曲群は令和になった今でも充分に凄いと感じるサウンドで、筆者はあまり詳しくはないのですがどうやら現在ではブラックメタル大国の一つに挙げられるオーストラリアの基盤を作ったバンドに挙げられる実は偉大なバンドがこのSLAUGHTER LORDだったりします。 

イーヴィルなスラッシュでいうと初期SLAYER 、初期SODOM、初期DESTRUCTION、BATHORY、初期BULLDOZER、HELLHAMMERなんかが筆者の場合頭に浮かぶんですが、そういった古典スラッシュをお手本にしながらも爆発力に富んだスタイルは後のブラックメタルのお手本にもなった存在ともいえるでしょう。