SNUFF と GUNSN' WANKERS | Hard “metal” Core Side

Hard “metal” Core Side

福岡県在住の美容師が好き勝手に執筆する
80年代を中心とするハードコアパンクや主にマイナーなスラッシュメタルや
90年代以降でも80年代の要素を取り入れている音源のレビュー形式日記です。

普段はアンダーグラウンドなパンクやメタルを聴いている筆者ですが、コロナの自粛期間が盛んだった時期はある程度気分転換も含めてメロディックなモノを聴いていたら、意外とハマってしまい現在も進行中だったりしてるんですけど以前このブログでHDQ をご紹介させていただいて以来結構それ系を聴いていて今回はハードコアパンクマニアックスには更に賛否がわかれそうなというよりもこのバンドはハードコアパンクマニアックスにはかなり否定的な方は多いと思うんですけど、敢えてそんなバンドSNUFFとそれ関連のバンドをイってしまおうかと思います。 
ハードコアパンクのメロディック化の源流を辿っていくとHUSKER DU が最初であるのが一般論ですが、世界の各地域からそれを更に進化させてシーンを形成していったバンドが出現していったのは過去のブログでも紹介したとおり。特に今回紹介のSNUFFはパンク/ハードコアを追い求める人からしたら音は聴いたことが無くても名前くらいは知っているって方も多いのではないかと思いますし、特に90年代の日本のパンクシーンに与えた影響は凄まじいものがあった記憶があります。

SNUFFはロンドンにて86年結成と実は意外と古いUKハードコアパンクバンドでスタートした存在。
ドラム/ヴォーカルの中心人物DUNCAN  REDMONDS氏がかなりの親日家でありバンド内の曲では日本人アーティストのカヴァー曲なんかが特に有名ですが、ほぼSNUFF=DUNCAN氏のバンドと言ってもいいでしょう。
バンドは91年に一度解散して94年に再結成を果たして現在も活動中ですが、筆者はハッキリ言って再結成以降の当バンドの曲は聴いてて(正確にはメロディックパンク好きの友人に聴かされて)もあまりピンと来ないし、しっくり来なかったのでそれ以来追いかけることはありませんでしたがやはり一度解散した以前の作品を筆者は評価しています。


SNUFFといえば筆者はやはりこの作品です。

こちらはアルバムタイトルは長すぎるので割愛させていただきますが、89年にWAKERS PLAYTIME というレーベルから発表された当バンドの1st アルバムになるオリジナル盤。

80年代に活動時のSNUFFは時期的にも“UKハードコアルネッサンス”の最中であったことから純粋にハードコアパンクバンドとして動いていたと筆者は認識していましたし、88年に日本のスラッシュ/ハードコアバンドとしては初めて海外ツアーを行ったとされるバンドROSE ROSEと共演を果たしています。

当時のSNUFFの印象をROSE ROSEのメンバーの方は“THE  JAMみたいだった”と発言していたようにこのバンドはHDQのようにUSハードコアやDAG NASTYのようなDCスタイルのバンドからの影響よりも、元々はTHE JAMみたいなMODな音楽的なものを基本にルーツを持つメンバーがハードコアパンクの洗礼を受けたことでSNUFFのスタイルを形成したのではないかと筆者は推測しています。


やはりこのバンド90年代以降の日本のメロディックパンクシーンに多大な影響を与えただけあって「SOME -HOW」や「TOO  LATE 」等この作品には名曲が多いです。






この当時ではUSのメロディックなバンドには到底出せないであろうカラッとした能天気さや明るさはほとんどと言っていいほど無く、ドンヨリとした雰囲気の中にハードコアパンク特有の速さとヨーロピアンバンド特有のメロディーを融合させたスタイルで、後にNUKEY PIKESやあのハイスタもカヴァーしたジミヘンの「PURPIE  HAZE」もこの時点で披露している先見性も見逃せない所でしょう。
91年には過去には前例が無い程異常ともいえる大量のパンク/ハードコアバンドが来日していた
年で、この年にSNUFFは初来日を果たしています。間違いでなければ一緒に共演していたバンドは元HERESYのメンバーがやっていた「MEAT FLY」だったと思いますが、この来日公演後にSNUFFは解散しました。



SNUFF解散後にDUNCAN REDMONDS氏がギター/ヴォーカルへとパートチェンジをして結成され短期間の間活動していたメロディックパンクバンドがこのGUNSN'  WANKERSです。

こちらは94年にUSメロディックパンクNO-FXのFAT  MIKE氏が主宰しているレーベルFAT WRECK CORDSからの編集盤LP「FOR  DANCING  AND  LISTENIG」。

基本的な音楽的な路線はSNUFFの延長線上にありながらも更にTHE JAMをハードコアパンク化させたような感じで正直SNUFFよりもこちらのバンドの方が好きなんですけども、この作品筆者個人的にはかなり不満も抱える作品でもありまして、そもそもこの作品は当バンドが同年に同時リリースされた「METAL」、「HARDCORE」、「POP」という3枚のEPを発表していますが何故か「METAL」が省かれ他2枚のEPのみの編集となっています。







しかし筆者はこの「METAL」にこそGUNSN' WANKERSの魅力だと思っていまして他EP作品のメロディックパンクナンバーとは明らかに異質ともいえる、まるでゴリゴリなストロング系ハードコアパンクが収録されているのが特徴です。
恐らく「FOR DANCING~」を選曲、編集したのはFAT MIKE氏本人だと思いますし、レーベルカラーの都合上「METAL 」を省いたのだと推測していますが、勿体無いことしてるなぁとこの編集盤聴いてて未だに思います。





こちらは先の3枚のEPと同年の94年に日本のSNUFFY SMILEからリリースされた当バンドの編集盤CDで全部とはいいませんが、しっかりと「METAL」EP の曲が入ってますので個人的には当然こちらの編集盤がオススメです。





SNUFFY SMILEは92年~2005年まで日本のメロディックパンクシーンを支えてきた自主レーベルで90年代は一口に“パンク”と云っても色んなスタイルといいますか、色んな切り口で表現をするバンドが多種多様に出てきた時代だと筆者は見解してますが、そんな中でもSNUFFY SMILE は“メロディックパンク担当”的な役割で一時代を築いたレーベルだと思います。

このGUNSN'  WANKERS の編集盤CDはこのレーベルからの記念すべき第1弾リリースだというのも興味深いですし、このレーベルをキッカケに今ではメロディックパンク系を聴いている方からすれば後にビッグネームになっているバンドの作品も多数リリースしていまして例えばメジャーになる前のハイスタの初期音源やその前身バンドとも云えるSLIME FISHERの音源リリース、メジャーになる前のHUSKING BEEの初期音源なんかを始めこのレーベルからのリリースをキッカケに巣立っていって後のシーンに名を残したバンドは数知れずです。
恐らくレーベルの名前自体にもSNUFFの影響丸出しな感じです。

筆者はやっぱりこのGUNSN'  WANKERSでずっと続けて欲しかったですけどね~