ある日、浮浪者と呼ばれるオジさんに話しかけられた。
何を言っているのか分からないから無視した。
オジさんは今度はサラリーマンの人に声をかけた。
また無視されていた。
それからブツブツ言いながら歩いて行った。
東京に初めて来た頃、駅で寝ている浮浪者の多さに驚いた。
あの頃は近くに寄るのも嫌だったし、すごい顔して見ていた。
でも今は「明日は我が身」…
そんなことを思うようになって笑えなくなった。
働かないのが悪いと言うかもしれないが、この人たちだって、こうなるとは思わずリストラされたり色々な事情があったのだと思う。
働く場所さえ無くし、家庭も無くし、住む場所を失ったんだ。
自分たちだって、いつこうなるか分からない。
これが現実で今の日本だと思う。
オジさんが歩いて行く背中を見ながら、なんだか考えさせられた。
オジさんはどこに向かって歩いているんだろう…
何を探しているんだろう…
都会の片隅にはこんな現実がある。
クリスマスのイルミネーションでキラびやかな街の隣り合わせにある。
紙一重だと思った。