高校に入ってからずっと
部活漬けで
早い時間に帰って来る事なんてなかったので
16時や17時に帰って来る事が
とても新鮮だった
他のみんなは部活に行ってしまう中
自分は授業が終わったら帰る
それも又辛いんじゃないかと思っていたけど
Tはそれ程気にもしていない様で
夜が長いわー
とか
夜ご飯がゆっくり食べられるって
幸せー
とか言いながら
それはそれで
楽しんでいる様だった
部活と勉強の両立に不安があった為
中学から通っていた塾も
辞めずにいたので
部活が終わってからは
ほぼ毎日
ご飯を早めに済ませて
夜は塾に行って
勉強させてもらっていた
ここの塾は他の塾とは違い
塾長さんと生徒との距離が近く
Tの様に部活をしている子には
遅い時間でも特別に授業を組んでくれたり
来れる時間にいつでもおいで
と言ってもらい
授業じゃなくても
普通に勉強をさせてもらっていた
そのお陰で
Tは随分と助けられていた
7月末に部活を辞めてから
12月までの約5ヶ月
今までの分を取り戻すかのように
本当に勉強に切り替え
頑張っていた
12月の初め
私が出かけていた時
携帯が鳴った
着信は
『公衆電話』
と言う通知
ん?誰?
と思いながら電話に出ると
Tからだった
校則通り携帯は学校に持って行ってない
だから学校の公衆電話からかけていた
お母さん!!
もらった!!
志望校から
合格通知!!
はっ?
何て?
だから!!
R大学から
合格通知もらったって!!
そうなん?
てかこんなに早くに?
何で?
本当に色々本人に任せていた私
ほぼ何も知らずにここまで来た
推薦で合格をもらったらしい
らしい…って言うのもおかしいけど…
何となく騙されているような
まだ半信半疑な私
信じてない私に
授業が終わったらすぐ帰って来て
その合格通知とやらを
写真に撮って
私の携帯に送って来た
初めて信じた
その日は私も出来るだけ早くに
用事をすませ
急いで帰った
帰ると嬉しそうに満面の笑顔で
合格通知を私に見せた
ほんまやったんや…
と言う私に
何で信じひんの!!
てか、そこは
おめでとうやろ![ニヤリ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/003.png)
![ニヤリ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/003.png)
と言われて初めて
あ、おめでとう!!
やっと嬉しさがこみ上げてきて
Tに抱きついて
おめでとうを連呼した
もう!ええって!
と照れ臭そうに引き離されたけど
Tもすごく嬉しそうだった
そして
明日から又部活行ってもいい?
早速それかいっ!
と思ったけど
了承した
次の日の授業終わり部活に行って
一番に顧問の先生に報告したら
約束通り部活の中で一番乗りの
合格やな!!
おめでとう!!
と、右手を出され
力一杯握手してもらったらしい
それから
戻って初めての試合
やはりTのポジションは
後輩がやっていた
それからはもうTが
試合に出してもらえる事はなかった
全力で応援をしているT
声をからしながら
応援団長を必死にやっているT
それでも私には
満足そうに見えた
自分で決めて
自分が選んだ道
試合が終わって家に帰ってから
大丈夫?
後悔はない?
と聞くと
Tは笑顔で
大丈夫やで!
わかってた事やん![照れ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/007.png)
![照れ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/007.png)
と、あっさり
このタイミングで
おかしいけど私は
T…
色々ごめんな…
と初めて謝った
涙が溢れてきた
泣かずに言おうと思ってたのに…
お母さんな
色々心配で…
頑張ってんのに
バレーやめ!やめ!
ばっかり言って…
と、途切れ途切れに言う私に
又泣くー
えぇって![照れ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/007.png)
![照れ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/007.png)
全然気にしてへんかったし…
て言うか…
余計に燃えたし![爆笑](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/001.png)
![爆笑](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/001.png)
と交わされた
気にしてへんかったんかい!!
気にせーよ![笑い泣き](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/015.png)
![笑い泣き](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/015.png)
と泣きながら言い返した
そんな私の横で
Tは笑っていた