技術の世界は常に変化しています。私が技術者になった頃には想像もできなかった解析技術やAIが登場し、開発の現場は大きく変わりました。

 

しかし、どれほど技術が進歩しても変わらないものがあります。

それは「誰のために作るのか」という視点です。技術者は性能や効率を追求します。もちろんそれは大切なことです。しかし私は、それだけでは十分ではないと思っています。

 

本当に価値のある技術とは、人々の暮らしの中で役立ち、長く信頼されるものです。

その考え方を教えてくれたのがスーパーカブでした。派手な性能を競うのではなく、多くの人の日常を支え続ける。その姿に、ものづくりの本質を見ることができます。

 

私が水素エンジンの開発に取り組む理由も同じです。新しい技術を作ることが目的ではありません。その技術によって人々の生活が少しでも豊かになり、社会の役に立つことを目指しています。

 

技術は手段であり、目的ではありません。

 

だから私はこれからも、最新技術を追い求めながら、同時に現場で使う人のことを考え続けたいと思います。

 

優れた技術とは、数字の中だけに存在するものではありません。人々に使われ、信頼され、そして次の世代へ受け継がれていくものだと私は考えています。