1月14日 こがねい落語特選 新春 看板真打競演会~江戸の粋~ | 寄席にっき

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ふとした事がきっかけで初めて行った新宿末廣亭、そこで初めて生の落語に触れたのが約半年前でした。今では暇を見つけては寄席通いです。
そこで半年目を記念して、鑑賞記録を兼ねたblogを始めてみます。

ー本日、こがねい落語特選 新春 看板真打ち競演会に行ってきました。
場所は武蔵小金井駅前の宮地音楽ホール、2階席まである大きなホールです。





◆春風亭かん橋【初天神】
開口一番は柳橋門下のかん橋さん、お馴染み初天神です。
出だしは、これから初天神に出かけるという旦那に「金坊も連れてって」というパターンですが、奥さんが強い家庭らしく、詰め寄り方に若干迫力を感じます(笑)遊びから帰ってきた金坊も連れてけと、二人の連れてけコールに根負けした旦那、一緒に歩いてやはり飴を買うことに。今回は頭をはたかれて飴を落としたところで終わりました。

◆柳家喬太郎【時そば(コロッケそば)】

この顔合わせだと1番最初だろうと思っていたらやはり早い出番。
冒頭はやはり年が明けてからもう2週間、成人式の話題でした。毎年恒例の阿蘇の成人式で歌う市長、今年は「恋」(星野源)ですが、新しい歌を歌うのは良い、落語協会の会長 柳亭市馬も、玄人はだしというより歌手の協会に所属してるから玄人といえるが、新しくても舟木一夫とか。また、毎年あちこちあれているのもどうかと思うが、どこかが荒れるのが成人式。今年はつくば市だった事。合間に年齢の話題が入り、現在52歳・・・・一瞬どよめきが(笑)
そしてコンビニの恵方巻の後に、最近お馴染みになってきた「富士そば」の話題。
「富士そば」には、かなりの確率でカツ丼にカレーをかけたメニューがあるが合わない事やお馴染みコロッケの事を熱く語った後、「残念ながら悲しいお知らせがあります・・・この後喬太郎は古典を演ります」・・・今日のタイトルを見て新作を期待する人はいないと思います(笑)
そのあとは「時そば」、個人的には、そばを食べる所作は、喬太郎師匠のが1番好きです。
最初は「あたり屋」、2軒目の蕎麦屋は「キッチンイナバ」(笑)苦い蕎麦で「もしかして茶そば?あ、だから器をまわすわけ?」というような味。
お馴染みの「時そば」でやはり夕飯は蕎麦を食べたくなりました。

◆春風亭一朝【蛙茶番】

最初は新年の挨拶とお馴染みの「今年もいっちょう懸命やります」という言葉。
噺は、良い家の旦那達がお金を出し合って芝居を企画したが、気に入らない役を割り振られたものは当日顔を出さなかったりいろいろと厄介な事が起きる。芝居番を割り振られた建具屋の半公が顔を出さない。そこで番頭の一計で、半公が惚れている女性でおびき寄せる・・・という噺。バレばなしの感じが強いけど、それでもワッと笑ってしまいます。

◆林家二楽【紙切り】

今回は「獅子舞」「餅つき」「丹頂鶴」・・・季節感がある注文でした。注文が多いお客に「もう無いですか・・・といっても切りはじめたからもうダメですよ」と、言ってて、大変なんだな思いました。

◆五街道雲助【持参金】

噺の最初は「笑うと健康に良い、これは医学的にも証明されてるわけで・・・」というところから。笑ったその日の夜は良く寝れるとか。
そんな話の後は「持参金」
あるとき払い、催促無しという事で放っておいた借金、「急な要りようで」返す事になり、弱ったところに舞い込んだ持参金付きの縁談。ところがこの縁談の元を辿っていくと・・・という噺。
「金は天下の廻りもの」というこの噺ですが、最後は「この女の心根に惚れた」と一緒になる男、こういう人はなかなかいないでしょうが、その気概は素敵だと思います。

◆三笑亭夢太朗【阿武松】

この会唯一の落語芸術協会の落語家、初めて聴きます。お若く見えますが68歳、髪の毛が黒いせいかも知れません。
今の大相撲の事などを話して「阿武松」、六代目横綱阿武松の出世物語です。
能登の出身長吉が相撲取りを目指して武隈文左衛門に入門して精進してきたものの、大食らいを理由に破門されるわけですが、あることがきっかけで別の部屋に入門し直し、出世街道を歩み始めるまでの物語です。
いろんな方の高座で聴いてますが、夢太朗師匠の体格が大柄なせいか、とても面白く聴けました。最初に入門した武隈関との勝負もありますが、武隈関が怯える様子を入れる人もいる中でサラっと演って終わったのは良かったです。

終了は3時半、約二時間半の落語会でした。「江戸の粋」らしく、古典落語をたっぷり楽しめて充実した1日でしたでした。