お世話になっているある方から、一冊の画集をいただきました。本当なら私がお礼をすべきところなのに、私の話を聞いたその人はご自身も大切に読んでいらっしゃるという一冊を贈ってくれたのでした。この週末、大野勝彦さんの絵手紙詩画集『やっぱいっしょがええなあ』を、時間をかけて味わったのです。
 


大野さんは1944年、熊本生まれ。1989年、農作業中の不慮の事故により両手を切断。その後、“湧き出る生”への想いを詩に託し、さらに水墨画に表現するようになります。

詩画集に収められた作品はどれも素朴であたたかく、心の中に染み込んでくるようです。印象に残るものをいくつか紹介します。今の私の心の反映でもあります。


他の人に喜んでもらうのが
嬉しくなった人の
笑顔は本物だ

迷うとは
右か左かの道を決めるまでの
時間を言う
短かいがいい
大切な人の喜ぶことを
その道を行こう


筆まめとは
やさしい人のことを
言うのですね

一日あなたのことを
想って暮らしました
元気でありますように
笑顔でありますように


いかがでしょうか。この人の作品を集めた美術館が熊本県南阿蘇村にあるそうです。いつか訪れたいと思います。