一袋の自然栽培された西洋野菜。それはコトPOPの第一人者、編集を担当させていただいた『POP1年生』(副題「“センス”がなくてもPOPは書ける!」)の著者、山口茂さんからいただいたもの。袋の隅に貼られている生産者を確認したとき、縁のつながりのおもしろさに感動し、その演出家に感謝したのは昨日のことでした。



山口さんが取材で訪れた築地の自然食品店「リムクラッソ」で買い求めたのは、岐阜県高山市で農薬・化学肥料を使わないで伝統野菜と西洋野菜づくりに取り組む「野村農園」のもの。それは、私も知る素晴らしい生産者のお一人、野村美也子さんが育てたものでした。



こうしたご縁の中心にいるのが「トマト店長」こと牧ヶ野芳男さん。同じく高山を拠点に、全国のお店の販売促進支援をされています。山口さんはトマト店長のPOPの師匠にあたるご関係です。



そしてトマト店長は、野村さんが出店販売する、高山名物の宮川朝市での販売支援をされている間柄。私が初めて野村さんとお会いしたのも、トマト店長に朝市をご案内いただいただきときでした。



山口さん、トマト店長、野村さん、そして私。その縁をつないでくれたのが、ほかでもない野村さんが丹精込めてつくった野菜なのです。もし山口さんがお店で野村さんの野菜に注目しなかったら、この縁のつながりは生まれませんでした。



良い商品には、それほどの力があるのです。こんな奇跡はもしかしたら、あなたの店でも起こっているでしょう。作り手、繋ぎ手、使い手の縁を結ぶ商品の力をあらためて思いました。サラダにしていただくと、春の味がしました。