昨日お会いした一人の商人は、己に厳しく、他者をおもいやる人物です。

己を客観的に見つめることができ、他者の立場になって最善を考えられる人物です。

損か得かではなく、正しいか正しくないかを行動指針とする人物です。

そんな彼と話をしながら、私はこんなことを思っていました。

 

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商業界が提唱する商売十訓のひとつに「愛と真実で適正利潤を確保せよ」という言葉があります。

愛とは他者へのおもいやりであり、命をつむいでいく熱源です。

真実とは表と裏という使い分けのないあり方であり、生き方です。

適正利潤とはその結果として得られるものであり、結果です。

 

「お客さまはいつも淋しい」と、商業界草創期の指導者の一人、新保民八は言いました。

だから、あたたかな愛で店を満たすのです。

だから、清々しい真実にそって店を営むのです。

 

あなたは、これまで少しでも愛に生きる経営を実践してきたでしょうか。

店を大きくすることや、利潤を無目的に増やすことや、ライバルを打倒することよりも、お客さまへ愛を尽くすことのほうがはるかに大切だとは思いませんか。

利潤はそこからはじめて正しく生まれてくるのです。

 

愛は命。

真実は正義。

利潤は技術。

商業界精神とはそういうものです。

 

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残念ながら、彼の店はなくなりました。

しかし、多くの生活者の記憶の中に彼はいます。

そして、彼はこれで満足する商人ではありません。

ひとつの終わりは一つの始まり。

新しいスタートラインに立っているのです。