人を大切にする経営を実践する企業に贈られる「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」。

企業を表彰する賞は数多くありますが、この賞がほかと大きく異なる点があります。

それは「会社の業績」ではなく「人の幸せ」を評価軸とすることにあります。

 

先ごろ第7回目の受賞企業が発表され、その中の一つに兵庫・西宮市の洋菓子店「ツマガリ」がありました。

阪急甲陽園駅を降りてすぐ同店はあります。

近くに空き店舗が出ると積極的に借り受け、製造工房を設けています。

地域の街並みが「ツマガリ通り」と呼ばれほど地域貢献に熱心なことでも知られています。

 

取材で訪れると小さな店は多くのお客さまでにぎわっていました。

店主は津曲孝さん。

30年ほど前に現社長の津曲孝さんが有名菓子店を脱サラし、夫婦二人でスタートしました。

津曲さんは、宮崎県の貧しい農家の出身で、家計を助けるため15歳で上京し倉庫荷役作業員を経験後、17歳で洋菓子店に就職。

現在では250人の従業員、本店ほか2店と通信販売で売上約20億円に成長しています。

 

110パーセント、

120パーセントの力を出そうと決意した時、

その人の根こそぎの力が出てくる。

 

99パーセントの力を出しているうちは苦しいだけ。

100パーセントを超える力を出そうと決意したとき、はじめて潜在能力は顕在化できる。

『プロフェッショナル100人の流儀』という一冊に載せられている津曲さんの言葉です。

まさにこの言葉のとおりの人物でした。

ツマガリの菓子のおいしさは、津曲さんの魅力そのものなのです。