いつもと違う通勤ルートを歩いていると、かつて取材でお世話になった店の前を通りかかりました。
東京・虎ノ門ヒルズの真前にある小さな眼鏡店「西島眼鏡店」。
開店前だったので店主にごあいさつはできませんでしたが、取材時のことを思い返していたら、一冊のノートが目に浮かんできました。
サロンのような店のテーブルに置かれた一冊のノートは、お客さんと店主のコミュニケーションツール。
眼鏡のことを離れてさまざまな書き込みがあり、店主はその一つ一つに丁寧に応えています。
お客さんはまた、その返信を読みに店を訪れるという絆がそこにはあります。
東京・新宿の超繁盛店「ビア&カフェ ベルク」のスタッフ間コミュニケーションの命綱になっている「連絡ノート」には、スタッフ全員が必ず目を通します。
簡単な連絡事項のほか、お客さんからの声、商品開発に関することなどさまざまなやりとりが記録されていました。
このノートで意見交換されることも。18年間(2008年取材時点)で300冊以上にもなったこのノートは、べルクの歴史そのものです。
愛知・岡崎にある「ペンズアレイタケウチ」は万年筆の品揃えが豊富な店として、地元はもちろん遠方のお客さんからも愛される店です。
けれども、最初からそうであったわけではありません。
旧店名「竹内文具店」の頃には廃業も考え、最後に店主は自身が好きな万円筆に掛けたのでした。
一日に5000円以上の万年筆を1本販売することを目標として品揃えを強化し、さらには初心者向けの万円筆講座を開催して万年筆で書く楽しさを伝えていったのです。
そして、ノートにはその販売記録が書きこまれていきました。
ITツールやソーシャルメディアの発達により、コミュニケーションや販売データ管理はその姿を大きく変えてきました。
けれど、大切なのはその継続とそこに注ぐ熱量です。
取材で出合った3種類のノート。
あなたの店にも、こんなノートはありますか。
