ごめんね、傷ついた?
と言われたとき
実は少しも傷ついていなかった
多くの人が泣いている中
なぜか泣けなかった
やわらかな心を持っているはずのわたし
熱い心をもっているはずのわたし
でもわたしはその時も
一人泣けずに佇んでいた
素直になれないのではなく
心開いていないのでもなく
いつも笑っていたくて心のクセがついた
長い間の心のクセが
そんなかたちであらわれた
でもわたしは不安になる
自分だけ救われたくて
何かから目をそらしているのではないかと
不安になる
つらいことに目を伏せて
ひたむきに生きることを避けているのではないかと
不安になる
話を聞いてるフリをして
その人の心に実は寄り添っていないのではないかと
不安になる
こんなわたしの心のクセに
あの人が幻滅しているのではないかと
年を経て
心のあり方に少しは自信をもっていたはずのわたしが
一瞬にして不安をもつ