暑くなる時間を避け
早朝に合流して
毎年恒例のさくらんぼ狩りに。
果樹園近くに高速バスの降り場があるので
そこで毎年合流。
いつもは車に乗ったまま待つけれど
待ち切れなくて停留所で彼が乗ったバスが来るのをウキウキしながら待っていた。
バスから降りて来た彼は私に気付いて
「ここで待っててくれたの?ありがとう」と
両手を広げてハグ。
バスの乗客が窓から見ている。
「ねぇ、窓側のお客さんが見てる。あのお客さんにきっと数年ぶりに感動の再会のハグだと思われてますよ…」
「1週間ぶりでも嬉しいものは嬉しいんだから見られても良いよ」
晴天の中、10分も走れば果樹園に到着した。
崖を登って山頂から水平線を見た日
気球に乗った日
初めて旅行に行った日
今まで特に印象に残っているデートは全て雲ひとつない晴天だったためだろう。
天気が良い日はそれだけで
“今日も楽しい一日になりそう!”な予感に
気持ちは勝手に昂るようになった。
「これはちょっと酸っぱい」
「黄色のさくらんぼ、大きくて甘い!」
「100個食べれるかな」
脚立に登って採ったり
備え付けてあるハンモックに揺られたり
広い果樹園をはしゃぎながら歩く。
「幸せ。やっぱりさくらんぼ狩り楽しいね」と彼。
「うん!楽しいー‼︎」
「去年は君が大変な時期で気分転換にさくらんぼ狩りに来た感じだったけど、今年は元気いっぱいだし、ずっと笑ってくれてるし。幸せだなぁ」
「えへ。その節はご心配おかけしました」
私の母にお土産のさくらんぼを大量に買ってくれた。
ランチには、彼の好きな少し遠い田舎蕎麦に行くはずだったのだが
彼も楽しいさくらんぼ狩りで昂ったのだろう。
「蕎麦は晩ご飯でも良いかな?ホテルに行ったら怒る?」
「ちょうど今セブンイレブンの冷凍グラタンが一番食べたい気分でした」とアシストすると
彼は嬉しそうにコンビニに向かった。
結局、晩ご飯は
田舎蕎麦のお店はその日はランチしか営業してない事が判明し、ラーメン屋さんに変更。
彼はガッカリしていたけれど
私はこだわりが無いので何でも良い。
楽しい時間を共有し
また一つ思い出を重ね
その振り返りを話しながら
彼と食べる食事は何でも美味しいのだ。
彼が心待ちにしていたさくらんぼ狩りに今年も無事に行けて良かった。
いちご好きの私はいちご狩りに行きたかったけれど
彼がさくらんぼ狩りを推している理由がやっとわかった。
今年は彼より私の方が楽しんだかも知れない。