基本的には二人の時間は
ずーっと話しているし
屋外でも屋内でもくっついて過ごしている。


私もスマホの音を消し
彼も仕事用のスマホはそのままに
プライベート用は音を消してくれている事も知っている。
仕事の連絡が絶えず届く日もあるけれど
それ以外は外部をシャットアウトした空間で


どちらかの子どもが小さかったりするとそうもいかないけれど
お互いに子どもが成人し親元を離れてしまえば
急ぎの連絡などほとんど無い。



彼がスマホに手を伸ばす時は
応援している球団の試合中継が気になる時だけ



座っている私の膝にゴロンと頭を乗せ

「あー、逆転されてるー」

と、スマホを見ながら野球に没頭している。




私も一緒に観る事もあれば
友人知人から届いているLINEの返信の時間に充てる事もある。




繋いだ手の力加減で彼の気持ちが伝わる。
目が合えば彼が私の訴えを理解してくれる。
言葉が出るまでの“間”だけでお互い本音が分かる。



言葉無しでもコミュニケーションが取れるのに
ずーっと喋りっぱなしの笑いっぱなし。



彼が私を笑わせようとする。
私の会心の一撃で返り討ちに遭い
悔しい!と言いながら彼がお腹を抱えて爆笑する。


頭の良い彼は
一段降りて私に合わせてくれるので
話していも心地良い。


お互い無言でそれぞれの事をしている時間も心地良い。



初めの頃は
伝えたい事もいっぱいあるし
彼の話も沢山聞きたいし
遠距離で月イチしか会えなかった時は
無言の時間なんて勿体無い!と思っていて

解散した後に

あれも言いたかったのに忘れてた!
これも聞こうと思ってたのに!

その繰り返しだったのに



いつの間にか彼も素を見せ
私も罪悪感や難しい思考を手放し
お互いマイペースでありのまま居ても
歯車が噛み合うのを感じるようになった。




気持ちが近付くのは
馴れ合う事になりかね無い。



私の前でリラックスしている素の彼を見る事は嬉しい反面

この恋がキラキラし続けるのは
家族のような形には収まるのは違う。



こんな風に感じる頃
彼も同じように感じているのだろう。


その次のデートでは少し距離感をリセットし
一日中私をお姫様のように扱うのだ。



親しみを込めた距離感と
始まりのようなトキメキを与える
彼のそのバランス感覚が
だんだん馴れ合っていく事を防ぎ


この恋ならではの良いところが
ずっと続いているのだな、と思う。




でもどちらの顔の彼にも
私は結局きゅんとしてしまう。



両方の顔が、ずっと見れたら嬉しい。