駅構内のコンビニで待ち合わせ。
マスク越しでも笑顔である事がダダ漏れの彼が
私を見つけて両手を広げて近付いて来た。
「15日ぶりだよ〜、会いたかった。
自粛期間長かった〜」
「元気そうで安心しました」
と、軽くハグ。
昨日はコロナ完治後のデートだった。
「素敵なワンピースだね。初めて見たけどカッコいいね!凄く似合ってる!」
もう彼は、私が持っている服まで把握しているのか。
意外と見られていて驚いた。
お気に入りの中華屋さんで晩ご飯をいただきながら
にこにこして私を見ている彼に
「なぁに?どうせ私が可愛くて可愛くて食べちゃいたいんでしょう?」
と、煽る。
「いや、大丈夫。もうちかちゃん食べてる」
と、彼がニヤリと皿を指差した。
「それ、酢豚ですよね…もう口きいてあげない」
あはは!と彼が笑い
「これ、あげる!」と500円玉を出した。
「やった!ありがとう!」
また彼が
「あはは!すぐ口きいてくれたね」
と言って、二人で笑った。
「火曜日に解除になった時、すぐに会いに来たくて電話しようかと思ったけど、君に移さない事が一番だから、と葛藤しながら諦めたよ。
待ち遠しかった」
「そんな大袈裟な。火曜日に会えなくても金曜日に約束してたのに!」
「大袈裟じゃないよ。俺は毎日でも一緒に居たいんだから。君は寂しくないの?」
「寂しくないです」
わかりやすくいじける彼。
「だって、好きな人から私と同じくらい満たされてる人って世の中に1割くらいしか居ないと思うの。
毎週次回までの分しっかりチャージしてもらってるし。
一緒に居るのが当たり前じゃないから、早く会いたい!って思うし」
わかりやすく立ち直る彼。
共有してきた長い時間の中で
私にとって彼は
“私の悲しむ事はしない人”
“私のために動いてくれる人”
と、刷り込まれるには充分の彼の優しさを貰ってきた。
「1割、かぁ。そんな風に言ってくれて嬉しいなぁ。気持ちが伝わっていて嬉しいなぁ」
と、喜んでくれている彼を見て
私もなんだか嬉しかった。
元気になった彼と会えて
嬉しくて楽しくて
あっという間の6時間だった。