「消えたい、消えたいという学生がいるので受診できませんか?」

と学校の先生から相談を受けました。

その言葉には病院に受診させれば

なんとかなるという

意図があるのがわかりました。

 

「消えたい気持ちを治す薬はないからね」

過度の期待をされるのは嫌なので

はっきり伝えました。

会って不安な気持ちを聴くことはできます。

必要があれば医師から薬を処方してもらうこともできます。

それでも消えたい気持ちが消えるとは限りません。

 

もちろん希死念慮が強く

そのままにしておくと

自ら命を絶ちそうなときに

入院をすることで

行動に移せないようにして

諦めてもらうことはできます。

しかし、いつまでも入院していてもらうわけにはいきません。

退院後、消えたい気持ちが消えているとは限りません。

 

できることは消えたくなるくらいつらい気持ちを

聴かせてもらって一緒に考えることです。

それも望まない人もいます。

 

精神科に受診すれば回復するとは限ません。

そんな簡単なことではありません。