本来的に忠臣蔵は国民向けの物語です。

その理由はたったひとつです。

 


当時の武士は政をします。

今で言う政治家や官僚です。

 

 

赤穂藩浅野家の武士たちは農工商の手本となり、この国を守る役割が武士にあると学んでいたのです。国民の手本となれという教えです。物語の忠臣蔵が、日本の心の反映と言われる核心の部分です。武家の倫理観の中で受けたものではありません。大衆に広がった物語が忠臣蔵です。

 

 

国民(民衆)に受けた物語が忠臣蔵です

 

 


本物の忠臣蔵(元禄赤穂事件)が国民に広がることは国民をもっと大切にする政治家が求めらます。国民を大切にすることがこの日本の国の根本です。


当時の学者で赤穂藩と縁が深かった山鹿素行は赤穂で中朝事実を著述します。

日本の国の形を書いた書物です。国の歴史を紐解いて、どのような国かを明確に書いたものです。子どものために書いた本で、赤穂藩浅野家の子どもたちに教えました。その子どもたちがこの国を維持するために立ち上がった出来事が元禄赤穂事件です。国を守るとは国民のために政治はあるということが根本にあります。
どのような時代であっても、国民を守れない国であれば国自体が必要ないです。

 

 

これを教えたのは山鹿素行であり、

実践したのは大石内蔵助をはじめとする家臣です。

 


元禄赤穂事件を通じて、平和を維持することは国民をあげての仕事だとよくわかったので、赤穂事件を縁に徳川の時代の平和は長く続きます。長く続く平和の維持が日本の本来の姿だと思います。国民のための政治を行ってきたのが日本の国です。

 


山鹿素行が大絶賛していることはこの国の歴史の長さです。

世界一長い国です。建国を神武帝から見るのか等、色々ありますが、1500年以上の歴史は確かにあります。この国の歴史の長さを山鹿素行は大切にしなさいと教えています。国の歴史が長いということをなぜ大切にするかといえば、国が安定している証明だからです。国民が安心して暮らせる国だから長く続くのです。

国の安定を大切にしなさいというのが山鹿素行の教えの基本です。政治に対する大切さを赤穂藩に教えたのです。

 

 

これが忠臣蔵の背景にあることです。

以上のように、史実の元禄赤穂事件、物語の忠臣蔵を失うことは、日本の心を失うことになります。

 

主君に対する忠義心による単純な討入り事件では、日本人の心の反映と称されて、300年以上語り継がれることはあり得ません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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