その昔。
打撃指導は
「ダウンかレベルか」が話題でしてね。
今や「アップスイング」が流行りで。
本塁打数が増えた理由にもなっています。
でも。あの王選手っていう人は
「ダウンスイング」で金字塔を建てました。
あの当時、なぜ判で押したように
教えは「ダウンスイング」だったのか。
今日は、そんな歴史を振り返りたいと思います。
動画にあるように。
王さんの「構え方」は
軽い「クラウチング(前かがみ)スタイル」です。
原辰徳も掛布雅之も、この時代はみんな。
軽い「クラウチングスタイル」でした。
実はこの「前かがみ」の構えに
「ダウンスイング」はマッチしていたのです。
前かがみは、ファストボールに遅れがち。
それをカバーするために
「上から下へ」振る動作が有効だったのです。
***
まず。
なぜ「前かがみ」で構えたのか。
それは、前かがみで構えれば。
「自分の打つポイント」を見ながら
「投球軌道」も見られるから、有利です。
しかも王選手は一本足打法。
あの足の「上げ方」って特殊でね。
カラダは後方へ引っ張られる・・・。
「顔」までもが後方へ引っ張られて。
球は「横目」で見ざるを得ませんね。
この「横目」の効果で、カラダは開かず。
王の顔は、打った後までもが閉じたままですね。
しかも。
「前かがみ」で
「ダウンスイング」するとね。
ダウンで振ったつもりが
(実際は)
スイング軌道は「レベル」を描いています。
これは(このシーズンオフに)
ぜひ実験してみてください。
王選手のやってきたことが
体現できることでしょう。
***
いつの頃からか。
日本の打者から
「ダウンスイングが激減」しました。
それは
「クラウチングスタイル絶滅」との
相関関係があると思うのです。
***
あの「ダウンスイングを否定」した
あの長崎慶一さんも(↓)。
バースの師匠は「長崎慶一」だった
かつての長崎の動画を見れば
「前かがみ」で「ダウンスイング」。
これも、王選手と同じなんです。
でも長崎選手は、自分を
「レベルスイング」と言い。
王選手は自分を
「ダウンスイング」と言った。
どちらも同じハズなのに
自分の感触と「実態」とは違ったのです。
つまりバッティングは、フィーリングです。
打撃動作を
「言葉にする」ことに、限界がある証拠です。
***
前回「教えないコーチング」を書いた・・・。
自分で「自分の道」を切り開こうとしている人に。
コーチは「教えちゃいけない」理由がここにある。
自分で自分の感触をつかむと
(次の段階でもまた)
自分のアイデアでもって、また進化できる。
これ。
即ち「人の道」とおなじでしょう。