今日も休みだったので、こりを聴いたよ。

 ロッド・マッケンの『Pastorale/田園の詩』ね。1971年の春にリリースされた2枚組アルバムだ。

 ロッド・マッケンは1933年生まれ、歌手・俳優・作曲家、作家、詩人の米国人だ。

 年齢やキャリアは、オイラの心の師カナダ系ユダヤ人のレナード・コーエンと似ているね。

 50年代から歌手・コンポーザーとして活躍していた。

 日本で馴染みがある楽曲は、ジャック・ブレルやスコット・ウォーカーが唄った「If You Go Away/行かないで」かな。

 歌手としては、テクニック派ではない。声質もチョイと高温でハスキーだ。ぼくとつとした語りかけるようなスタイルね。まっ、楽曲の中には朗読もあるけどね。

 しかして、コーエンの様に暗く陰鬱ではなく、穏やかな慈愛に満ちている。

 オイラは癒されたいから音楽を聴いてる和氣ではないけど、この人の唄には癒されるね。

 まっ、そんなトコも含めて個性的な歌手な部分がお気に入りのポイントだ。

 そして、作品においてオイラ的お気に入りのポイントは3点だ。

 まず、スタジオ録り下ろしの2枚組アルバムってトコね。次は彼としては珍しく英国で録音している。そんで、アルバムは彼のオリジナル曲が中心だが、何曲かカヴァーも含まれていて、それがなかなか興味深いんだ。

 アルバム自体のコンセプトはタイトル通り、田園=自然をテーマに人生を唄っている。

 英国録音の由縁も、彼の想像する"田園"が英国のそれだったのかもしれないね。

 オーケストラをバックにしているけど彼の個性とシンプル&ネイチャーな仕上がりで素晴らしい。

 そんで、注目のカヴァー曲は3曲ある。

 まずは「Something/サムシング」ね。そっ、ハリスンのあれね。原曲の"she"を"You"に替えて唄っているのが面白い。

 そんでレノンの名曲も唄っているのだが、タイトル・クレジットが、クリビツだ。

 なんと「Nothin's Going To Change My World(Across The Universe)/僕の世界は何も変わらない」なんだ。

 いったい、どんな思惑があるのか解らないけど、タイトルが変えられているのさ。

 まっ、いいよね、何にしても、そんなこだわりが。

 2曲ともアレンジも独自でマッケン節になっているトコが見事だ。

 して「ロング・ロング・タイム」だ。

 そっ、リンダ・ロンシュタットが切々と唄い上げた彼女の初ヒット曲ね。

 そのロンシュタット節とは対照的に囁くように、語りかけるようなマッケンの唄は異なる趣きがあり、素晴らしい仕上がりだ。

 オリジナルではアルバムのラスト前に収録されている「The Single Man/独身」が特に印象的だ。歌詞はこんな感じだ。

 …僕はたった一人で生活している/孤独な男にとって/それは生易しいことじゃない/夜、時々壁が僕に話しかけてくる/こう言うんだ/昨日はちょっとましだったねと

 いつのことだったか思い出せないが/家の中は明るい愛で満ちていた/でもそれは孤独な人間にだけ許された/想像の世界のおとぎ話さ…

 う~ん、イイよね。淡々とした彼の唄によって、しみじみと染み込むね、心の襞にさ。これからも聴き続ける愛聴盤だね!…(^・^)Chu♪