え~と、日本のボブ・ディランが岡林信康で、日本のドノヴァンが加藤和彦、日本のジョーン・バエズが森山良子、日本のブライアン・ジョーンズがムッシュ・かまやつ、日本のポール・ジョーンズが沢田研二、日本のデイヴ・メイスンが柳ジョージ、日本のジョニ・ミッチェルが吉田美奈子、日本のドナルド・ダックダンが河合徹三、日本のロイ・ウッドが一色進なら、日本のピート・シーガーは、この高石友也だね。
こないだゲットした中にSMSが1981年1月にリリースした発掘音源シリーズ"幻のフォーク・ライヴ"の『'68 第2回 高石友也リサイタル』がある。
これは68年1月2日に大阪サンケイ・ホールで開催された彼の2回目のリサイタルの音源だ。
実は、すでにこの時の音源は、68年春にビクターから『受験生ブルース/高石友也フォーク・アルバム 第2集』としてリリースされている。
そちらは全14曲収録でSMS版は全17曲収録だ。重複している音源は10曲だ。
まっ、何故SMSが完全版をリリースしなかったのかは疑問だけど、両アイテムとも曲順も異なっていて、楽しめる。
そして、ビクター版に入ってなくて、SMS版に収録されている楽曲に「ヨイトマケの唄」があったのでクリビツだ。
オリジナルの丸山(美輪)明宏版が話題になったのは65~66年にかけてだった。
おそらくカヴァーでは最も初期の音源にだろうね。
歌詞も社会派の高石に合っているしね、カヴァーも頷けるよ。
ところが、ギッチョン、聴いてみたらクリビツテンギョーだ。
歌詞を一部変えて唄っているんだ。それは5番の歌詞だ。オリジナルはこうなっている。
…あれから何年たった事だろ/高校も出たし大学も出た/今じゃ機械の世の中で/おまけに僕はエンジニア/苦労、苦労で死んでった/母ちゃん見てくれ、この姿…
ところが、高石版はこんな感じだ。
…あれから何年たった事だろ/思い出すのは故郷の事/今じゃ何とか一人立ち/仲間も大勢いるんだぜ/苦労、苦労で死んでった/母ちゃん見てくれ、この姿…
…なのさ。歌詞を忘れて、適当にごまかして唄ったとは思いにくい。
この曲の歌詞やコンセプトは報われない底辺層の歌なんだけど、5番では"高校出て大学出てエンジニア"になって"エリート"になってしまう。
そっ、立場的には"アチラ側"の人間だから、それを肯定する歌詞は唄いたくなかったんだろうね
実は、近年、オイラも、このオリジナルの5番の歌詞には違和感があった。
"今じゃ、機械の世の中で"は、物質文明に犯されてしまった誤った日本の方向性を位置付けているような気がするからさ。
まっ、この歌詞が書かれた昭和40年頃の日本人の意識では、貧乏から脱するには学をつけて一流会社に就職し時代の最先端の仕事をするのが理想とされていた和氣だから、しょうがないんだけどね。
この辺りの真偽を高石に確認したいけど、もう半世紀近い昔の事だから忘れているだろうな。
して、オイラが、この曲をカヴァーする時があれば、この高石版の歌詞を唄うだろう。
あっ、因みに日本のジム・モリスンって云ったら中野D児の事だじぇ、アッハッハッ!…(^・^)Chu♪