まいどっ。

 ちゃみでっす。

 蒼辰の構成台本により、ちゃみの語りでお送りする[読むラヂオ]。

 テーマは、[暇つぶしのお供]。

 そんなつもりでお付き合いくださいまし。

 

 今日の話題は?

 春が早すぎる、ってお話になっちゃったんですよ。

 つまり、桜。

 もう開花しちゃいましたよ、東京。

 いいとこ、お彼岸あたりと睨んで、本日の配信で桜の話と思ってたのに、とんでもないことでございます。

 それにしてもさ、3月のまだ半ばだよ。

 こんな暖ったかかったっけ?

 いつかまた寒さが。

 油断はできぬ。

 と、びくびく、冬物が片付けられないのは、ちゃみだけではありますまい。

 

 と、そんな暖かさの中での、桜のお話でございます。

 ところでさ、桜色ってゆうじゃない。

 あれ、学校とかでよく咲いてるソメイヨシノの花に比べると、かなり濃い感じがしません?

 桜もちも、桜海老も、あとサクラと呼ばれる馬肉も。

 あれ、ソメイヨシノの桜じゃなくって、山桜や里桜の花の色なんですね。

 山桜は、日本の山にもともと生えてた自生種でございます。

 昔の短歌なんかに出てくる吉野の山の桜は、もろ山桜。だから、山の斜面ずっとかなり濃い桜色だったわけでございますね。

 そして里桜は、山桜から生まれた園芸品種です。

 いろいろ工夫や改良を重ねて、今、二百種以上あるのだそうです。

 すごい。

 けど、庭木だから、そうたくさんには植えない。せいぜい、二、三本であります。

 けど、ソメイヨシノ、いっぱい植えちゃいますよね。

 なんででしょ。

 

 そもそもソメイヨシノ、東京は駒込の出身なんですって。

 東京っ子じゃん。

 漢字で書くと、染井吉野。

 あ? 染井吉乃なら、まんま少女漫画の登場人物になりそう。

 どっかにいそうだな。

 ま、いっか。

 そいで、今の駒込のあたりに、染井村という村があって、そこの植木屋さんが開発した園芸品種のひとつなわけですね。

 吉野は、吉野山の吉野からとったのか。

 そいで、その特徴ってゆうのが、葉っぱが出る前に咲くことと、何本あっても一斉に花が咲くこと。

 山桜や里桜は、花と一緒に葉っぱも出てくるんですね。

 なので、桜色と緑が混ざりあってる。

 けど、ソメイヨシノは、花だけ。

 緑なしで、花の色だけに包まれる。

 それも一斉に。

 なんで一斉に咲くのかってゆうと、ソメイヨシノって、全部、クローンなんですってね。

 つまり、挿し木で苗木を育てるから、DNAがみぃ~んな一緒なんですって。

 なので、一斉に咲く。

 でもって、葉っぱの緑がない。

 しかも、色合いが本来の桜色よりも薄くて、はかなげで、ちょっと妖しい。

 それがぶわぁ~っといっぺんに咲き出して、満開ともなると一面の花盛りになる。

 このソメイヨシノの先っぷりが気に入っちゃったのが、徳川八代将軍の吉宗公でした。

 みんなが楽しめるようにと、隅田川沿いやら、上野の山やら、飛鳥山やら、小金井やらにい~っぱい植えちゃった。

 すると人々が集まって、その花盛りに浮かれて、飲んで騒いで、歌って踊って、どんちゃん騒ぎをやらかすようになった。

 どうやら、今日にもつながるお花見スタイルって、こうして始まったんですとさ。

 けど、満開のソメイヨシノって、ちょっと妖しい雰囲気持ってるのはジジツですよね。

 おかげで、桜の花の満開の下ってゆうのは、気が狂ってたり、死体が埋まってたり、感受性豊かな作家のみなさまの想像力を刺激してきたわけであります。

 そして凡人は、その妖しさに、つい飲み過ぎたりするわけでござんす。

 てへっ。

 けど、はかないよね。

 咲いたかと思うと、じき満開で、散り始めたかと思うと、もう終わりだもんね。

 もっと長いこと楽しめないもんかしら。

 ん? だったら、山桜を探しに行け、って?

 どうして?

 ソメイヨシノより二、三週間遅いから、4月の半ばすぎまで楽しめるはず。

 へぇ~、そうなんだ。

 ほんじゃ、今年は山桜にお会いしに行こうかしら。

 会えたらその時は、名刺渡してきます。

 

 はいっ。

 てなことで、本日はここまででっす。

 次回は、あ、もうお彼岸じゃん。

 おはぎの話だな、きっと。

 ほいでわまたっ。

 ちゃみでしたっ。