『ここは俺の実家だ』
翔ちゃんが言うその建物をようく見ると
屋根の上に十字架が掲げられ
門の表札には児童養護施設と書かれていた
「ここが…翔ちゃんの?」
『嗚呼』
すると
翔ちゃんに気づいた子どもたちが
「翔兄ちゃ〜〜ん!!」と駆け寄って来た
「翔兄ちゃんそれなぁに??」
『約束のチョコ持って来たぞ』
「わーーい!!やったやったぁ〜!!」
たくさんの小さな手に背中を押され施設内へ入って行く翔ちゃん
ここでお別れかと手を振り見送っていたら
首だけ半分振り向いた翔ちゃんは
『お前も来るか?』
と声をかけてくれた
「いい…の?」
『賑やかなの好きだろ?』
「・・うん!!」
思いもかけない翔ちゃんからの誘い
嬉しくて二つ返事でついて行った
・
・
『シスター。今日は同僚を連れて来た』
「おじゃまします。相葉と申します」
シ「あらあら、翔がお友だち連れてくるなんてはじめてね」
『// 友だちでなく同…』
シ「さぁさぁ相葉さん、こちらへどうぞ。
今お茶を淹れるわ。翔、手伝ってくれる?」
「あ…お構いなくっ」
シ「あら。お茶よりコーヒーの方がお好きだったかしら? 翔、相葉さんはどっちがお好き?」
『どっちも…好きだよ、な?』
「は、はいっ。好きです!」
シ「あら、まぁ。好きだって♡ まるで愛の告白されたみたいね?翔」
『なっ// 何言ってんだよシスター。お茶とコーヒーの話だろっっ///』
シスターはすごく朗らかなで茶目っけのある人で
あの翔ちゃんでさえシスターの前では
タジタジ
ふふ
かわいい一面もあるんだ
お茶をごちそうになったあと
園庭で子どもたちと追いかけっこや縄跳びをして遊んで汗を流した
そのあと翔ちゃんは小さい子のお昼寝をさせてくるというので、オレは施設内をゆっくり見学
礼拝堂を見つけ
吸い込まれるように中へと入った
「うわぁ〜綺麗✨」
ステンドグラスからこぼれる光のシャワー
故郷(天界)を思い出す
オレは一番前の長椅子に座り両手を合わせ
〝神様。翔ちゃんに巡り逢わせてくれてありがとうございます〟
感謝を伝えた
そして
〝ここで暮らす子どもたちとシスターたちに神のご加護を〟
心から祈った
つづく……
ごめんなさい
なんかゆっくりペースでお話が進んでいて
翔さんの過去を知る大切なシーンなので
もう少しおつきあいください