『どうした⁈』
鉄製の階段を駆け上り
玄関の前で蹲る相葉へ走った
「さ…くらいさんっ…」
顔を上げた相葉の顔色は真っ青だった
『っ何があった⁈』
「へや…が… まっくろで…」
『電気がつかないのか?』
「ちが…ぅっ、、まっ黒…っ」
『真っ黒⁈』
明らかに動揺している相葉から事情を聞くよりも、この目で確認した方が早い
『悪いな。勝手に上がるぞ』
玄関のドアを開け、中に入ると
!?
『っんだよ…これっ……』
まるで空き巣が入ったかのように部屋中が荒らされ
壁や床、家具や家電、ベッドと
至るところに大量の墨のようなものが撒き散らかされていた
あまりの惨状に言葉を失う
ひと通り被害状況を写メし
相葉のもとへ戻る
『心当たりは⁈』
「……ない」
『警察には電話は?』
「……まだ」
相葉の代わりに110番すると
近くの交番から警官がすぐに駆けつけてくれ
俺も実況見分に立ち会った
・
・
署で被害届を出した帰り道
「櫻井さん、、色々ありがとうございました」
相葉が深々と頭を下げてきた
『これからどうする?』
あの部屋じゃ掃除をしたからといって
とても住めるような状態じゃない
心情的にだって相当キツいだろう…
「ん・・・ 今日はビジネスホテルにでも泊まります。
その後はしばらくウィークリーマンションでも借りようかな。。と」
そう言うだろうと思ったよ
『なら、俺んちに来い』
「え?」
つづく……
災い転じて急接近⁈