『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(秋本治、週刊少年ジャンプ連載)―通称『こち
亀』のコミックス160巻目が刊行されました。私がほぼ唯一読んでいるマンガです。
特別カバー版も含め、全巻買い続けていますが、正直なところ何回読み返しても面
白いのは初期の作品、コミックスで言うと30巻あたりまでのもの。最近はコミックスを
買って、一読してオシマイ、ということが多いのではありますが…
もう辞めるに辞められない、そんな感じでしょうか? 秋本氏にはこのほかにも読み
きり作品が多数ありますが、「秋本治=こち亀」という図式が出来上がっています。
これは作者にとっては幸せでもあり、また不幸なことである、とも思います。例えば、
寅さんを演じた渥美清さん。ビーンを演じたR.アトキンソンさん。いずれも演じたキャ
ラクターがご本人であり、時として、ご本人がキャラクターになってしまっている。渥
美さんも作品が重なるにつれ、そのことで大いに悩んだそうです。だから晩年は他
の作品への出演も希望されていたとか。
またアトキンソン氏は「ひとりの役者が演じきれるのは自分の心が生み出す一人の
キャラクターだ」、そんなことを言っていましたが、まさにビーンはその表れです。
そういう意味では『こち亀』は秋本氏の唯一無二の作品であり、秋本氏の書くべき作
品なのだと思います。
でもマンネリ化していて… 私もそんなことを思ってきましたが、これも見方を変えれ
ばやっぱりすごいことです。
休載なしで(しかも原稿アップは早いらしい)30年以上。
そのすごさは、36年間のライブにちょっとの休憩を入れた永ちゃんと重なります