樹液の滲み出ているトチノキの近くから飛び出したチョウがいました。翅がそうとう傷んでいますが、キマダラヒカゲの仲間です。キマダラヒカゲ属にはサトキマダラヒカゲとヤマキマダラヒカゲの2種がいますが、少し前までは同一種とされていたくらいよく似ています。

区別点はいくつかあるようですが、写真のチョウは翅が傷んでいるので、これらの区別点もよく確認できません。かろうじて、後翅裏面の3個の点(写真の赤線部分)が確認できますが、この3個の点はサトキマダラヒカゲではほぼ1列に並ぶことが多く、ヤマキマダラヒカゲでは下の1個が外側にずれることが多いとされています(『原色原寸検索図鑑日本の蝶』参照)。この点だけから見ればヤマキマダラヒカゲのような気がしますが…?。 

また、同書によると、「この両種は非常によく似ていて、…区別点があるが、どれも確実なものではなく、…すべての区別点を調べてみて、総合的な判断でどちらかの種か判断せねばならない。…棲息地は、ヤマキマダラヒカゲは山地に、サトキマダラヒカゲは平地に主として分布し、両種が混じって棲むことは少ない。」とされています。

この公園の標高は約70m、原色日本蝶類生態図鑑(Ⅳ)による静岡・山梨県における「サトキマダラヒカゲの垂直分布は0~2000m(分布の中心は0~500m)」「ヤマキマダラヒカゲの垂直分布は240~2000m(分布の中心は900~1500m)」。

以上を総合的に私的に勘案すると、写真のチョウはサトキマダラヒカゲになりますが、いずれにしても、この公園で発生したチョウではなく飛来してきたものと思います。 

 《サトキマダラヒカゲ? 2017/09/26》