昔の電気料金のはなし | @1945ashizawa

昔の電気料金のはなし




 NHKのドラマ、「鬼と呼ばれた男―松永安左ヱ門」、戦中戦後の電力統制時代の話に関連して、いまではほとんど語られていないことのひとつとして昔の電気料金のはなしがあります。




 昭和14年に国策会社としての「日本発送電」がスタートするわけですが、それ以前には33社ほどの電力会社が存在し激しい価格競争を続けておりました。


 各電力会社によって料金体系は若干の差はありますが、それは一般家庭用の電気使用料は概ね「定額制」であったことです。なにしろ高価な電力計が普及していない時代のことで、電力会社の社員がときおり各家庭を訪問し、その家の電燈数がどれだけ使われいてるかを調査して料金を決めるシステムだったのです。




 東京電燈㈱の場合も各家庭の電燈数に見合った定額制の仕組みになっており、それは10燭光(約13ワット)の電球1灯に付き月額50銭。その電球は電力会社が支給して、より明るい電球を使うことは禁じられていました。仮に違反が発覚すると、課徴金が課されたものでした。また広い客間など、より明るい照明が必要な場合はシャンデリアとまでいかないまでも、多灯形の器具を使ったわけです。


 当時の料金制度の記録がほとんど残っていないので詳しくは分かりませんが、なにしろ家電製品がほとんど広まっていない時代であり、コンセントの必要性はありませんでした。どうしても扇風機など季節的に使いたい場合は、密かに二又ソケットを電燈の中間に噛ませ、そこから電気を引いたわけです。そんなことから、古い家屋の室内にはコンセントは無かったのですし、あったとしてもほとんどが後付けでした。







いまでは、想像もつきませんね。


使用した電気器具は参考のもので、全てが戦前のものではありません