相模大堰を見学 | @1945ashizawa

相模大堰を見学

 おりしも東京都が利根川水系からの取水を23日より10%制限開始したが、ここ神奈川県は先人の努力によって、このような苦労をしたことがない。


 ところで、県下にある多摩川の水は東京都が、芦ノ湖の水は静岡県に提供、とくに明治初期には東京三多摩は神奈川県に属していたがその地を東京府に割譲した際に水利権をも合わせて移管、また芦ノ湖も幕末~明治には静岡との間にたびたび「水争い」がおこり、そのようなことで神奈川県の水利は長い間苦労の連続であった。


 この労苦を解決すべく、神奈川の水がめは相模湖・津久井湖・宮ヶ瀬湖・奥相模湖・丹沢湖の人造湖を少しづつ開発、その裏には多くの現地住民の理解と協力があったこそである。


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 さて神奈川の水道水は湖やダムだけではなく、河川の中流からの取水もけっこう行なわれている。その代表が海老名市社家にある相模川からの取水で、県下最大の規模である「相模大堰」からの取水である。


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 ここから取水した原水は最大62万㌧/日の容量であり、各浄水場を経て県央地域のみならず横浜や横須賀にいたる広範囲に供給され、まさに県民最重要のライフライン・生命線である。


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 そこで暑いさなか、相模大堰を見学。普段は一般見学はさせてもらえないが、本日は年1回の機会で「みずきフェスタ」開催中だ。


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 ここのところ遠望するだけなどだが、本日は堰の上にあがれ、しかもゲートの開閉機械室内部の見学ができるのだ。むろん24時間体制で監視し、本部棟からの遠隔操作により巨大なウインチでワイヤーを巻き上げ、流出の水量を操作する。


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 こちらは堰の両端にある「魚道」。取水は左岸側にあり写真上部のヒトが立っているところが取水口。


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 取り入れた水は施設内の「沈砂池」へ導かれ、砂と流木など不純物が除去される。


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 そして右手の建物内のポンプで各浄水場に送水されるワケだ。ちなみに浄水場への地下送水管は内径2㍍もある。これが水道道の地中に敷設されているのだ。


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 酷暑の午後ではあったが有意義な施設見学。このような施設があってこそ、またそれらを保守するヒトがいてこそ、われわれが安穏な生活ができているのだ。


 いままで「建築探偵」と自称していたが、これからは「ライフラインのAshizawa」とも称するか。それにしても、この相模川の広い景色は気持ちよい。


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