池波正太郎・「剣法一羽流」を読みました。昭和37年ごろに書かれた池波さんの短編集です。
なぜか現代物が2編収まっています。少し違和感がありましたが、この時代に書いたもののようです。
そろばん虎之介 幕府の隠密ものです、何代にわたり藩の奥深くに内偵を進める経理の才を持った武士の物語
冬の青空 現代物で、住み込み運転手が旅先で出会ったマッサージ師が母の分かれた夫の子供、したがって主人公の兄になる人でした
小泉忠男の手 万引きの盗癖のある歯科医の側面に光をあてたものです
これも現代物
剣法一羽流 表題作です、諸岡一羽斎の3人の高弟、それぞれの生き方と角逐
闇討ち十五郎 人斬りを生業としている人物の変転です。かわいそうな主人公は出自を知ることなく死んでしまう
仇討ち街道 いくつかの復讐劇の中に、生きるもの死ぬものの姿を描いている
全編を読んだあとの感想ですが、まだまだ作家として認められる前の作品ですので少し荒削りのところがあるように感じました。
しかしながら、この後の市井物や、犯科帳物にいかされているような気がします。(偉そうにすみません)
