私はケチだ。どうしようもないケチだ。どうしてそう思うかというと、欲しいものも高いと思えば買わない。安いものだけを買う。そして買っても買わなくても後で後悔するのだ。この高い、安いの判断も実にいい加減なのだ。たとえば昔、株を買ったことがある。はじめ少し儲けた。それからは金額に上限がなくなって高い安いの目途がなくなった。気がつけば何千万も捨ててしまった。

 

 ケチというよりはどこか狂ってるかも、だからお金持ちになれなかったし、この先もお金持ちになることはない。

 

 こんな私だからこそいろいろとその原因を探し回った。そしてこの歳になってようやくわかったことがある。お金にもアイデンティ-があるということ。お金さんにも好き嫌いがあって好きな人のところへは喜んでいくけれど、嫌いな人のところへは決して寄り付かないんだということ。たとえば自分の損得だけでお金を使う私のようなものは、大嫌いなのだ。反対に先に他人様のためにお金を使う人は好かれるのだ。お金さんも感謝されたい、喜びたい心があるのだ。

 

 それがわかったらお金さんに好かれるようにすればいい、だけどそう簡単にいかない。というのも、私の背後に悪しき憑きものがついていて私を背後からハンドリングしているからだ。こいつが相当厄介な奴なんだ。たぶん死ぬまで、もうすぐだけど、それまでそいつと戦い続け、力尽きて死んでいくだろう。あぁ悔しい--一度くらいは金持になってみたかった。南無阿弥陀仏