プーチン政権と対峙、突然の死に衝撃 

ロシア反体制派ナワリヌイ氏

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入院中の反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏(右から2人目)とその家族=2020年9月、ベルリン(AFP時事)

 

 ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏(47)は、強権的なプーチン政権に真っ向から対峙(たいじ)してきた。

 

 過去十数年にわたり反政権運動をけん引し(ということは30代前半から)、インターネットなどを駆使して政権の不正を告発。収監中の刑務所での突然の死亡が伝えられ、内外に大きな衝撃が広がった。  2020年8月にロシア国内で毒殺未遂に遭った。療養先のドイツで旧ソ連の軍用神経剤「ノビチョク」系毒物の投与が確認され、ロシア情報機関の関与が報じられた。死線をさまよったにもかかわらず、「帰国しなければプーチン大統領が勝利し、目的を達したことになる」と対決姿勢を崩さなかった。21年1月の帰国直後に拘束。裁判で過去に受けた禁錮刑の執行猶予を取り消され、刑務所に収監された。  11年のロシア下院選や12年の大統領選を巡る抗議デモで主導的役割を果たし、一躍脚光を浴びた。SNSや動画を活用し、政権幹部の不正を追及。ナワリヌイ氏拘束後の21年1月に公開された、陣営がプーチン氏のものと主張する「宮殿」の暴露動画は、再生が1億回を超えるなど大きな反響を呼んだ。  ナワリヌイ氏は21年2月の裁判で「数百万人をおびえさせるために、1人の人間を投獄しようとしている」と政権を鋭く批判。収監後も弁護士らを通じてSNSで発信を続けた。

 

同年6月に自らの団体が「過激派組織」に認定された際も「汚職が政権の根幹を成している場合、反汚職の闘士は過激派になってしまう」と痛烈に皮肉った。  22年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻も強く非難。プーチン氏を「狂った皇帝」と表現し、「(プーチン氏が)ウクライナに対して繰り広げた侵略戦争に気付かないふりをする臆病者」になってはならないと訴えた。21年に欧州連合(EU)欧州議会が人権や自由の擁護活動をたたえるサハロフ賞を授与。ノーベル平和賞候補としても、たびたび名前が挙がっていた。 

 

プーチン政権と対峙。ナワリヌイ氏、突然の死。

ナワリヌイ氏追悼の100人超拘束 ロシア各地で献花・集会

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 ロシアのプーチン政権を批判してきた反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏(47)が16日、極北の刑務所で死亡したという当局の発表を受け、ロシア国内で追悼の動きが広がった。人権団体OVDインフォなどによると、各地でジャーナリストを含めて100人以上が拘束された。

 首都モスクワ中心部では16日夜、政治犯の追悼碑に献花する人が続々と訪問。拘束者の一人は「人殺し」と書かれたプラカードで非難を試みた。プーチン大統領の故郷の北西部サンクトペテルブルクでは、当局が追悼集会を解散させた。

 政権はウクライナ侵攻下、言論統制など締め付けを強化し、大規模デモを封じてきた。プーチン氏の通算5選が確実視される大統領選を3月に控え、圧勝ムードに水を差される事態は避けたい考えとみられる。

 モスクワで人々が献花したのは、ソ連時代に強制収容所があった白海の諸島から命名された「ソロベツキーの石」と呼ばれる追悼碑。国家保安委員会(KGB)の後継機関、ロシア連邦保安局(FSB)の本部があるルビャンカ広場に置かれている。プーチン氏はKGB出身。

ナワリヌイ氏に献花した人100人超え拘束。

 

このような先進的な人たちがいて、社会の進歩があるのだろうが、このような先進的な人の犠牲が大きすぎる。その犠牲の上に平和と自由の世が来ても、何年かすると又逆行してしまう人間社会とは何なんだろう。