法事2件(7回忌と49日忌)は副住職に任せて、1日葬に出仕した。
葬儀式は当山斎場を使って12時半から始まった。13時半出棺で市民聖苑に向かった。13時45分に着いた。14時まで待った。荼毘に付している時間は1時間半。ここ府中市民聖苑の荼毘の時間は他の火葬場と比べると待ち時間が長い。時によると2時間近くなる時がある。今日は1時間15分位だった。
収骨してから、墓所に納骨するために当山に戻った。葬儀のその日に納骨するのは、昔は土葬だったので当たり前だったが、近年は珍しい。だいたい49日忌法要の後に納骨する家が多い。49日までは、たましいは未だこの世に残っているが、49日をもって旅立っていくと言われている。旅立つ魂と肉体の象徴になるお遺骨を、肉体も魂もいっしょにということで49日忌法要の後で墓所に納骨する家が多い。
しかし、事情があって、49日忌まで家に安置できない場合もある。ひとり暮らしの方が亡くなった場合は、全くの留守宅にお遺骨を安置することになってしまう。今日のケースがそれで、葬儀のその日、荼毘に付されたその日に墓所に納骨した。
墓所でのご回向は未だ暗くならないうちの4時半頃だった。
この方の戒名の一字に悦と言う字を選んだ。
夫君を亡くされて30年近くひとり暮らしだった。そんな背景の中、団地のお仲間とカラオケを楽しまれ、日々の生活でおしゃれも楽しまれたとお聞きした。
作者は分からないが、ある漢詩で使われていた悦を思い出した。
「親戚の情話を悦び琴書(きんしょ)を楽しみ、もって憂いを消さん」
一族の人々との真心のこもった話を聞くことを悦び、琴や読書を楽しんで、我が胸中にわく憂愁を消してゆこう、と言う意味。
憂愁とは心配事や悲しみで心が沈むことだが、それに押しつぶされないで、その人なりの悦びを持って生きられた今日の故人を讃えたい。
有限な人生を基本的には楽しく生きたいというのが誰しも共通した気持ちであろう。今日の故人の楽しまれ悦ばれたエピソードを伺い、そのことが憂愁を消す意味の楽しみ悦びであろうと思い、悦と言う字を選んだ。